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「トラベルメイト95」
  1. 【航空券を買うと言うことと予約すると言うこと】

     航空券を買うと言うことと、航空券を予約することは同じではありません。同時に終わることも多いのですが、百%そうとも言い切れません。この二つを分けて考えていただくと航空券の利用方法が良く解ります。

     航空券には、利用者の名前、利用区間、料金、発行者、発行日、有効期間、利用航空会社、便名、利用日時、利用クラス、予約状況、等を書き込む欄がたくさんあります。これらで絶対に変更できない物が、名前、料金、発行日、有効期間、で、他の項目は場合によっては変更可能な航空券もあります。普通運賃の物ですと航空会社の変更が出来たりしますが、ほとんど皆さんがお使いになる航空券は変更可能かどうかと言うことは指定された航空会社のみで利用日が変更できるかどうかと言うことに集中すると思います。

     利用日時が変更可能な物をOPEN航空券と言い、変更が出来ない物をFIX航空券と言います。(利用日時が自由に変更できるという事でOPENでなくFREEと言われる方がおられますが、FREEは通常無料航空券のことを言いますので、この場合はOPENを使いましょう)

     FIX航空券の場合航空券を購入することは、予約も同時にしてしまうことになります。まあ予約をしようとしても、混んでいる時期などは希望の日時がとれないこともあります。そう言うときは予約が取れる日にちを希望の出発日の前後で探すことになります。それでもあいていないときは航空会社を替えてみてトライすることになります。安い航空会社より高いところの方が一般的に混んでるときも取りやすい様です。

     いずれにせよFIXの航空券は出発前には全行程が予約が取れてOKが来てることが発券の条件になりますから、切符を申し込んで予約を確認して第一希望ならもう無条件ですが、ゆずれる範囲で予約が取れたなら購入の手続きに進むことになります。最終工程が終わった時には予約のOKを取ることと切符の購入は百%同時に終わっています。

     通常の混んでないオフシーズンの場合は、申し込みと同時に希望の航空会社と旅行日程が全部とれたりしますので、FIXの場合航空券の申し込みが直ぐOKであると思いこむことが多いのですがオンシーズンとかピークシーズンの時はそうでもありません。

     長期間旅行する予定で帰国日が特定できないときとか、短期であっても現地の仕事次第では帰国日が早まったり、二、三日遅れたりするときはもうFIXの航空券は使えません。FIXの時は本人の都合による帰国日の変更、帰国便の変更はできませんから、指定便または日時以外の便を利用したいときはもう一度航空券を購入しなければなりません。 

     OPENの航空券は、本来は出発日も帰国日も変更できる物を言いますが(普通運賃の物はそうですが)通常あなたが利用する航空券のOPENは、出発便の最初の区間は指定日に出発しなければならず、利用日の変更がきくのは帰国便かあるいは二番目の区間からと言うことが非常に多いのです。ですからいくらOPENの物を頼んだからと言って日本の出発日を変更しようと思うと、簡単には行きません。追加で変更料金を取られることが多いのです。

     この航空券は、座席の予約が取れればいつでも利用できる券ですからより自由度が高くて使い易いくどんなときにも、例えばピークシーズンだろうが、短期間の旅行であろうがすべてオールマイティに使えると思いがちです。特に気ままな自由旅行にはぴったりの航空券のように思えます。確かに気ままな自由旅行には安いOPEN航空券がイメージも、実際もぴったり合います。

     でも、気ままな自由旅行をどんな物として考えているかによって、OPEN航空券は大変なトラブルを起こす原因ともなります。皆さん気ままな自由旅行をどんな物としてお考えでしょうか。

     もし一週間とか十日でお考えでしたら、そして帰国して直ぐ仕事とか何らかの大事なアポイントがあるのでしたら自由旅行など考えないでください。(上級の中以上の方は何でも有りですし無理はしないでしょうから一泊二日の自由旅行だって可能です。)気ままな自由旅行をするにはどんなに日程を削っても三週間、普通で一カ月は必要です。そして旅行をするシーズンは、日本発着が混み合うピーク、オンデイ、週末等は避けなければいけません。(基本的に安く、気ままに旅行するにはオフシーズンに沢山の暇を持って出発するという条件が絶対となります。)今挙げた条件のどれかがあたっている人は、普通運賃以外のOPENの航空券は使ってはいけません。

     OPENでも帰国日を出発前に予約して、OKを取って行ってる場合は問題はないですが、ピークシーズンなどは帰国日を変更しようと思っても変更予定の出発便がとれなければ最初の予定で帰国するしかないわけですから、わざわざ高い料金を払ってOPEN切符を買うメリットは一つもありません。

     例年年始の一月七日くらいまでは、バンコック・東京間は滅茶苦茶混み合います。こういう時プータロウをしている渡辺さんと、まじめな公務員小山さんの切符の使い方を比較してみましょう。

     プーの渡辺さんは時間だけはたくさんありますし、コンピューターグラフィックの特技があり、その人畜無害な温厚な性格から、部屋を自分で借りなくとも一週間くらいなら泊めてくれる友人が十人はいます、日々の生活費もそう贅沢するわけではありませんし、コンピューターもハードのマニアでもないので仕事先の物を使わせて貰えば十分で自分の物はノートパソコン一台だけというシンプルライフです。

     たまに入ってくる仕事は忙しいときは徹夜続きで仕事先に泊まり込むような事もよくあります。まあ彼にとっては、部屋代を何日間か得をする結果になるわけです。出ていく物が少なく、入ってくる物がそうそうであれば小金は貯まります。毎年十二月二十日くらいから三週間は世界のあちこちに旅行に出かけています。今回旅行費用はそうかつかつではないので、安いけれど便数の少ないパキスタン航空とかバングラデシュ航空ではなく、毎日便のあるタイ航空の三週間OPEN航空券を選びました。

     十二月二十日の出発便はとれたのですが、帰国希望日の一月六日がとれません、でもまあ六日には絶対帰国しなければならないと言うことはないので出来たらと言う程度の予約です。今のアルバイト先は人手が足りないので七日からは絶対に会社に出てくれと言われてはいますが、別に会社の受け付けをやってるわけでもないし、今やっている仕事は一月末が締め切りですから七日からの出社が十日になってもかまわないのです。本人としてはですけど。

     困るのは三週間の切符の有効期限が切れて帰国できないことですが、たぶんいつものごとく一月も八日を過ぎると必ず空き席があるので問題はないでしょう。もし十日までにバンコック・東京がとれなくて新しい航空券を買うことになっても嬉しくはないけども、どんなに高くとも六万円から八万円くらいで新しい航空券が買えるので心配はしていません。

     案の定出発日までには一月六日のバンコック・東京はとれませんでした。第二希望を予約しておいた方がと旅行会社はうるさかったのですが、面倒なので予約ウェイティングのまま発券して貰いました。バンコックに到着したらマレー半島の国際列車に乗るか、ネパールに行くか、バンコックにずーっと滞在してるか成り行きに任せようと思っています。

     まじめな小山さんは、今年は十二月二十五日より一月五日まで休めます、六日は土曜日なので実際は七日でも大丈夫なのですが、旅行から帰って一日くらいはのんびりしたいので、第一希望の帰国日は六日です。最悪の場合七日でも、もっと最悪の時は八日でも何とかという感じです。一般の企業よりは恵まれてはいると思うのですがのんびりする旅行にはちょっと足りません。

     通常ピークのバンコックの席は三泊四日とか四泊五日のパッケージの席に使われます。帰国日が一月の五・六・七日の席はタイだけのツアーだったら出発日が年明けの二・三・四日とセットで売られ、次にネパールだとかスリランカへの団体様の席として利用されます。バンコックだけの往復でしかもパッケージのパターンからはずれた航空便の予約はなかなかOKが来ません。

     ユナイテッド航空・ノースウエスト航空・タイ航空・エアインディア・パキスタン航空・キャセイ航空ほとんどの航空会社の予約をしました。PEX・IIT、すべての普通運賃ではないクラスに予約しました。十一月を過ぎて十二月に入っても予約のOKが来ません。やっと十二月の五日になってタイ航空の出発便だけがOK来ました。帰国便は十二日のタイ航空はとれますがこの日では絶対まずいです。十二月八日になってパキスタン航空の十二月二十六日の出発便がとれました。帰国希望日の一月六日にパキスタン航空はバンコック・東京飛んでいますが絶対この日の席は取れないとのこと。

     方法としては、タイ航空パキスタン航空とも帰国日はOPENで発券出来ますので運を天に任せて出発、現地で帰国の席を交渉する事もできます。しかし非常にリスクの大きいばくちになります。OPENの航空券はその有効期間内で利用航空券に特定されたクラスの予約がOKとれていて、予約再確認が出発の七十二時間前までになされていた場合予約日に問題なく搭乗することが出来ます。(最近ではキャセイ航空のように予約がOKきていれば予約再確認が不要の航空会社もあります)
     これらの条件のどれか一つが欠けていても希望日には飛べません。

     OPENの航空券の説明でよくあるのが「価格はちょっと高いけれども、帰国日(正確には搭乗日)が自由に変更できる航空券、帰国日が出発までに決められないときに利用する」間違ってはいませんが、補足の説明が必要です。帰国日は航空券の有効期間内で変更は出来ますが、変更できるという事と予約のOKが必ずとれると言うことは全然別の問題です。取れないことだってあります。

     最終的に小山さんパキスタン航空の十二月二十六日の席を利用日本からは片道の航空券を発券して貰いました。帰国便は、タイの旅行会社に連絡して貰いタイのパキスタン航空が持っている席を、タイでバンコック・東京を発券する事を条件に予約OKをとり、何とか十二月二十六日発で一月六日帰りの席を確保しました。

     料金は日本で往復の席が取れて航空券を発券したなら七万円前後であったのに、東京・バンコックの片道が五万五千円、バンコック・東京は通信費とか日本への郵送料金等含んで七万五千円トータルで十三万円になりました。

     渡辺さんはタイ航空の二十一日OPENの航空券を九万二千円で購入しました。帰りの航空券が取れてないこともあるのでバンコックの観光は帰国の時の飛行機便待ちの間にすることにして現地旅行会社で相談したところ二十二日のカトマンズ行きと、一月二日のカトマンズ・バンコックが取れたのでネパールに行くことにしました。

     その旅行会社へは東京への帰りの便が取れてないこと希望は六日を中心にして前後二、三日、もし取れたら手数料は払うからと伝え、切符のナンバーを係員に教えてネパールへ出発しました。

     十日ほどのネパール旅行はなかなかのんびり出来たいい旅でした。二日にバンコック到着後直ぐ旅行会社に連絡を取って見ましたがやはりバンコック東京は取れていません。チャンスはどうかと聞くと、六日はとてもダメだけども四日か五日ならまだましとのこと。

     四日の朝はちょっとした買い物がしたかったので午後の便をトライしてみることにしました。出発一時間前まで頑張ってみたのですが空席が出ません、初日のトライは失敗に終わりました。ただ八日の席が一席空いたので一応予約を取って貰いました、明日の五日は朝の便からキャンセル待ちをするつもりなのでホテルはバンコック市内ではなく空港近くのモーテルに泊まることにしました。

     荷物はショルダー一個だけなのでどこへ行くにも身軽です。寝るには少し時間があったのでモーテルの近くの商店街をぶらぶらしたり屋台をひやかしたりして時間を潰しました。その日の夕食の屋台のタイ料理は安くてボリュームがあってなかなかの物でした。旅行の予定も明日帰国便が取れなければパタヤビーチで二泊する事に決めました。

     次の日は朝から気合いが入っています。まず朝の出発便頑張ったのですがもうちょっとのところで席が取れませんでした。後は午後の便です。飛行機の席のスタンバイは他にすることがありません空港の出発ロビーで人間ウオッチングする事にしました。ぼーっとチェックインする人達の姿を見ていると二時間くらいは暇がつぶせます。後は食事で一時間。

     そうこうしてる間に午後の東京行きの便のチェックインが始まります。係員に呼ばれたときに直ぐ解るようにカウンターの近くでショルダーバックの上に腰掛けます。出発時間がどんどん迫ってきます。もうチェックインの締め切りの時間です、しょうがない八日に帰ることにしてパタヤビーチへでもと思って立とうとすると、昨日から顔見知りになったカウンターの女の子が手招きしてます。回りの騒音ではっきりは聞き取れませんでしたが彼女の口はこう行ってました「ティケット、ティケット」

     渡辺さんはいつも幸運に恵まれます、小山さんは料金は最終的には高くなるけどもなんとか席は取れています。通常皆さんは小山さんより条件が厳しいとこで旅行することとなります。学生の方なら渡辺さんよりお金の点を除けばもっと条件は良いかもしれません。

     オフシーズンの時に旅行に行ける人はOPENとかFIXの問題は、純粋に出発までに帰国が決まってないか、予定が決まっていて行き帰り最初に決めた日以外は変更はあり得ないの単純な条件の違いで決めてかまいません。全国的に普通の人が休みが取りやすいオンシーズンとかピークシーズンの時は席が取れにくいので選択の自由がありません。可能性としては、有効期間内であればOPEN航空券は変更できますが、変更予定の日時に空いている席がなければOPENは何の価値もありません。

     OPENの航空券をあらゆる悪条件の時も何とか使いこなせる人は、渡辺さんのようなすべてに余裕のある人でないと無理です。これはばくちの世界によく似ています。余裕のない人は、絶対ばくちには勝てません。資金も体力も限度がないくらい余裕のある人は、絶対勝てるとは百%言えませんが絶対まけません。瞬間で区切れば負けもあるでしょうが、次のトライが明日スグできます。疲れて無ければ、一時間後だって勝負の再開が出来ます。

     チャンス自体はほとんどの人の回りに飛び交っていますが、すべてのチャンスにトライできるのはほんの一握りの人達です。トライの回数が少なければそれに比例して成功するチャンスも少なくなります。インドではキャンセル待ちの順番のことを、チャンスナンバーと言いますが、全く航空便の席を取りたいときはその通りです。

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