トラベルメイト > トラベルメイト95
<<前のページ 次のページ>>
「トラベルメイト95」
- 【海外割引航空券】
格安航空券と言う言葉をを使いたくないため、割引航空券と表題に付けましたが実際は何だって良いわけですが、まあ一口で言えば現に今流通している航空券の説明です。
国際線の航空運賃は(正式には国際線旅客運賃と言います)、普通運賃と特別運賃に分けられます。
簡単な説明は前の章でしました。これらは定価を決めている運賃とも言えます。それならば通常皆さんが利用する航空券はどんな物でしょうか。
定価の運賃から全然違う別物なのでしょうか。
それとも今までよく言われているように定価で売りだしたけども売れないで残った航空券とか、いったん予約があったのだけれども出発直前でキャンセルになった航空券をもう一度安くマーケットに放出した物でしょうか。
かってはこういう色合いの航空券もあるにはありましたが十年くらい前からは、売れ残ったと言うより最初から安い値段で売る航空券の実売価格のマーケットができあがっていたのです。
実売の航空券のマーケットができあがっていたのならば航空券自体にマーケットの価格と有効期間を書き込めばいいかというとそうは簡単には行きません。航空協定自体が二カ国間の政府間の取り決めですし間に経由地が入ってきたりすると料金の分配とかルールの統一でなかなか大変なのです。
実売の航空券でもやはり実際に発券されるときは、一応表面上は定価の航空券の規約と料金のどれかを適用した物になります。ルール上はまだ、実売航空券は存在していないのです。
この辺りが航空券を利用するときに理解し難く、どうもすっきりしない原因なのです。
もう一度まとめてみましょう。実売の航空券を買ったときそのままの料金と条件が書き込まれることはありません。あくまで定価の航空券のどれかの形で発券されます。手元に来るのが普通運賃の航空券かもしれませんし、PEXかもしれませんし、IITかもしれません。
これらがどう違うかというと、普通運賃を利用した実売の航空券(格安航空券と同じ意味にとってください)は、有効期間が一年以内で、帰国日変更可能、*予約は(Y)が無条件で使える*、シーズンによって料金の変動があまりない、等の特色があります。
*〜*(Y)クラスは、普通運賃のなかでのグレードは一番下ですが、PEXとかIIT、またはアメリカの国内便等通常のクラスのなかでは一番グレードが高く、融通が利いて予約が取りやすいクラスです、その代わり料金も高く(Y)クラスで席の予約を取ったとしても、IITの航空券ではまず利用できません。(Y)クラスは、格安航空券の中ではファーストクラスなのです。
PEXを利用した実売航空券は、有効期間が短い物で二十一日から長い物で九十日ぐらいです。帰国日は変更可能の物もあれば、変更不可の物もあります。予約は(Y)クラスを使えるときもありますし、それ以下の利用条件がかなり厳しい(M)とか(Q)クラスしか使えないときもあります。これらの適用条件は各航空会社が決めています。
IIT利用の実売航空券は、有効期間が短い物で十日から三十五日くらいまで、帰国日はほとんどの場合変更が出来ません。予約は(Y)クラスはまず利用できません。ヨーロッパなど予約するときなどよく出てくるケースとしては、同じ航空会社で、同じ区間、同じ日程で、安いIITの席は満席だけどもちょっと高いPEXの航空券を使った予約ならとれると言うこともあるのです。
そういう場合こういう会話になります。
初心者服部さん「九月二日でお願いしておいたサベナ航空のパリ行きどうでしょう」
旅行会社社員山口さん「行きの便はとれたのですが、帰国の九月十六日がとれないんですよ、ただしちょっとクラスを替えるととれますがどうしましょうか」
服部さん「ビジネスクラスですか、そんなに高いのはダメですよ、エコノミーで取ってください。」
山口さん「いや、ビジネスクラスではないです、同じエコノミーなんですが切符の切り方で最初に予約してあるのが、IITと言う航空券の予約なんですが、PEXと言う航空券の予約方法もあるんです、そちらだと帰国便もとれるのですがどうしましょう、ただしPEXは料金が少し高くて二万円追加料金が必要なんですが。」
服部さん「ええー!同じエコノミーで料金が違うんですか、料金が高くなれば席が取れるなんて最初から安い料金を出しておいて、足元を見て少しずつ料金を高くするようで納得できません。」
山口さん「そうおっしゃるのもよく解りますが、IITよりも高いだけあって予約の取り易さがPEXの方が簡単なんです、まあ一度航空機に乗ってしまうと同じサービスですけども、有効期間が三十五日ではなく九十日まで可能とか少しは条件が好いのですが。」
服部さん「旅行に行くのは二週間ほどなので、九十日も有効期間は必要ないです」
山口さん「まあそうですけども」
この様に旅行業者が常に足元を見ているように思われるほど航空券の仕組みは複雑なのです。
<<前のページ 次のページ>>
↑ページ最上部