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「トラベルメイト95」
- 【 もう一度話は帰って出発前の準備 】
一気に衣食住で旅行中の話まで行ってしまいましたが、出発前の準備はまだまだあります。旅行に必要な書類の話、荷物のパッキングの方法、出発当日の空港への足から、空港でのチェックイン、飛行機の中、トランジットルーム、目的地、目的地の入国、空港から初日のホテルへ、旅行スタート、帰国日前日、最終目的地の空港、日本へ、じっくりこれだけのことをやっていたら出発前に疲れ切ってしまいます。駆け足でざっと行きます。
○書類の手続き
航空券又はパッケージを申し込んだら後は書類の手続きが待っています。まあ通常は同時進行になりますが。
一番大切なのはパスポート(旅券)、次にビザ(査証)、国によってはビザだけではなく旅行先の地域によっては特別な入境許可証の必要なこともあります。
○パスポート(旅券)
日本の国があなたが本当にあなたであると証明してくれる書類。たかが1万円で取得できるものですが、場合によっては命の次に大切になることもあるものです。古くは、「第三の男」「大脱走」最近では「キリングフィールド」等の映画でパスポートを手に入れるのにどんな苦労が待ってるか、パスポートさえあればまず安全への第一段階はクリアーです。私たちには、書類だけそろっていればまず難しいことはありません。
日本人は世界のほとんどの国へ入国するのに面倒な手続きを必要とされません。ということは、日本人のパスポートを持ってさえいればほとんどの国へ簡単に行ける訳です。日本人のパスポートはブラックマーケットでもかなりの金額と聞きます。旅行中にあなたが持っている現金よりひょっとすると今持ってるパスポートの闇での価格が高いかもしれません。1万円の価値しかないなどと思わないでください。ではパスポートに関して良くあるトラブルを列記しておきます。
○パスポートの期限切れ、中のページの不足
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この項は、95年現在の話です。かなり今は状況が変わっています。例えば、今は10年有効のパスポートが取れます。「トラベルメイト98」で訂正追加します。
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普通にとれるパスポートは有効期間が5年間で、その期間中なら何回でも出入国可能な物です。忙しいとパスポートの有効期限などころっと忘れていて出発直前で大騒ぎになることがあります。出発まで2週間あれば新しいパスポートに切り替えもできるのですが、数日前ではどうしてもアウトです。
旅行先の国によっては入国の第一条件がパスポートの残存有効期間が3カ月以上必要だったり6カ月必要だったりします。この部分もちゃんと前もってチェックしておかないと最悪の場合、現地空港にて入国拒否されることもあります。残存有効期間は、6カ月以上要求されることはまずありませんのでパスポートの有効期間が6カ月を切ったら、暇な時を見つけて新しいパスポートに切り替えておかれることをお薦めします。
この辺りのビザのルールは、旅行会社の言うことをそのまま鵜呑みにしないで、自分で大使館に電話をかけて確かめておいてください。旅行会社を信用するなと言うわけではありませんが、仕事は惰性で旅行会社の皆さんやってる傾向が強いので、突然の条件変更には応対できないことが多いからです。本来なら旅行会社が完璧にビザの情報を把握しておくべきなんでしょうが、実際にトラブルと自分に全部火の粉は降り懸かってきますので本人のチェックも必要です。
初めて旅行にゆく人はまだ関係ないでしょうが、何回も出かけておられる人はパスポートの余白のページが後どれくらいあるかもきちんと把握しておかないと、ビザを取ろうと思った、ビザのスタンプを押す余白のページがない、ビザがもらえなかった、出発できなかった、あわててページを増やす増補と言う手続きに走ることもよくあります。
○パスポートと違う名前で航空券を予約してしまった
あなたの現在の名前が何であれ航空券を予約するときには、パスポートに書かれている名前が優先になります。特に女性に多いのですが、結婚して名前が変わった、でもパスポートは旧姓のまま。予約の時は新しい名前で予約してしまった。こういうケースは、出発数日前に気がついて予約変更と航空券の切り替えが間に合うようでしたら変更料金を払っても、パスポート上の名前に予約も航空券も変更しておいた方がトラブルにならなくてすみます。
もし出発当日空港で気がついたら、交渉してみてください、ほとんど日本出発のときは何とかなると思います。名字は違っていても名前が同じはずですから日本では、新婚さんでパスポートの名前の変更をしてない人と認めてくれ、パスポートの所持者と予約の保持者は同一人物であると判断してくれます。
問題は帰国の時です。日本の習慣は現地では解りません、ただ単純に予約と名前が違うパスポートを持っている人がいるという事実だけですから問題になるかもしれません。予約の画面に名前の違う理由を日本で打ち込んでもらえますが、相手がどう判断するかはもうこれは運です。ただしかなり年間を通じて多いケースですから日本人の新婚さんの多い目的地は、現地からの帰国便も問題なく乗れるケースが多いようです。そうでないところは、「うーん、行ってらっしゃい」としか言えません。
○母親のパスポートに併記されている子どもが父親と旅行に出たいとき
母親も一緒に旅行に行くならかまいません。母親が旅行に一緒に行かなかったり、あるいは途中で早く帰国したりしたときはこれは大問題です。母親が一緒に行かなかったときは、日本の空港で出国できませんからしょうがねえなくらいでまだすみますが、母親が子どもをおいて何日か早く帰国したとしたらこれは問題です。
母親は子供と一緒に写っているパスポートを持って帰国するわけで、残された子どもは身分証明書がなくなってしまうのです、身分証明書のない子どもは、どこのだれだか証明する物はいっさいないわけで現地から出国できません。親父さん無国籍者の子どもを抱えて途方に暮れるしかありません。こうなると、もう一度お袋さんに現地にUターンしてもらうしかありません。
2歳までの幼児なら、母親以外と旅行することはあまりありませんでしょうから併記してもかまわないですが、それ以上なら母親以外の大人と旅行することもありますで。ぜひ子どもだけのパスポートを取ることをお薦めします。併記は両親どちらでも可能ですが併記された子は、そのパスポートの所持者としか海外旅行はできません。
逆に子ども連れでないけども、子どもが併記されたパスポートを持って旅行に出たときなども、出入国の度にしつこく質問をされます。「この写真に写っている子どもは今いないのか、どこにいる」特にアメリカでは多いそうです。子どもの誘拐行方不明が多いからでしょうか。
○写真なしの併記
これもトラブルの元ですから絶対にやめましょう。母親または父親がパスポートを取得してから子供が産まれたとします、パスポートはもうできあがってるわけですから写真だけを子供と一緒の物に差し替えることはできません、そういう場合特例として、併記する子を追記することができます。ただし写真を差し替えることはできませんからパスポートの上にタイプされるだけです。
日本では問題ありません、日本人が多いところでもあまり問題はありません。日本人があまり行かないところでは問題が起こることがあります。何で子どもの写真がパスポートに貼ってないのと言うわけです。そういうルールがある国ではどう説明しても無駄です。
結局入国拒否と言うこともあり得ます。特に東南アジア、西アジア、中近東、アフリカへ旅行するときは気を付けてください。
最初からパスポートを取るときに、15歳未満の子ども2人までは写真なしで併記できますが、トラブルを避ける意味で子どもにも一人一人別々のパスポートを取るようにしましょう。もう併記してパスポートを取ってしまった人も、手続きすれば別々のパスポートに分離することもできます。
(※95年11月より、パスポートは一つに一人しか登録できなくなり併記が廃止されます)
○パスポートの大きさとか色が変わった
昔の話ですが、かつてパスポートは表紙が青いときがありました。次には赤い表紙になったわけですが、その切り替えの時期に本当にあった話です。日本出国の時は問題ありませんでした、ヨーロッパの都市も問題ありませんでした、ケニアのナイロビに飛びました、
そこでも問題ありません、そこから陸路でアフリカ西海岸に向けて旅行を始めました。途中某国国境で入国管理事務所に捕まってしまいました。理由は明白、係官はにやっと笑っていったそうです。「うまく偽造してあるパスポートだな、ただ残念なことに日本のパスポートは表紙が青だよ」
乏しい英語力で、青いのは古いので、赤いのが新しいんだと説明しても解ってくれません。2日ほど泊まらせられてやっとパスポートが変わったのが確認できて釈放されたそうです。
ちょっとした変更でも全世界に連絡が行き渡るにはかなりの時間が必要です。国が変更したことだし正式に取った書類なのに何故? と思いたくなりますが、自分に責任がなくとも他の原因でトラブルが起こることはあります。結局誰の責任でもありません、あなたが(トラブルの当事者が)処理をするしかない問題なのです。
パスポート以外でも、お札の種類が変わったり、新しいお札が発行されたりするとそれもトラブルの原因になることがあります。
○旅行先でパスポートをなくしてしまった
通常は現地での再発行になりますが、正式の物は時間がかかります。日本への帰国間近であったり、したときは間に合いません。そういう場合渡航証明書が発行されます。これは数日で発行されますが、日本への帰国のために発行されるものなので、もうちょっと旅行を続けてから帰国しようなどと思っているときには役に立ちません。
直通で日本へ帰国するか、あるいは飛行機便の関係でどうしても乗り換えしなければならない国1〜2カ所に寄ることしかできません。
手続き方法は、これと言ってありません。緊急を要することなのでケースバイケースになります。ほとんどの場合パスポートをなくすと言うことは、他の身分証明書もなくしている可能性が非常に強い訳ですから、ありったけの自分の身分を証明する物を集めます。
自分名義のクレジットカード、切符、なければ手紙、日本の病院の通院のカード、ビデオ屋の会員カード、名刺とにかく自分か自分である証明は多ければ多いほどよいのです。すべてないと思っても、落ちついて考えてください。今日泊まってるホテルに残してあった荷物の中に何かなかっただろうか、ホテルのレセプションにはパスポートナンバーが控えてあるはずだ。そう何でもよいのです。何もないよりは。
パッケージ旅行中の時は割合簡単です。添乗員とか、同行者に中村は、あの中村であると証人になってもらうとかなりの確実な証明の一つになります。個人で旅行してるときは同行者がいるときは証人がいるので割合簡単ですが、いないときはこれは困ります。日本人を適当に捕まえて頼んでも証人になってくれるかどうか解りませんし、でもまあダメもとで頼むしかありません。
まだまだパスポートの関する話は終わりません。なくしたときにはどうするか、再発行するには、日本国内でなくしたら等など。これらは後編にゆずります。このまま行くと前編が終わりそうもないからです。次に行きます、次は相手国の入国許可証です。それをビザと言います。
○VISAについて
パスポートが日本の国が発行する身分証明書なら、VISAは相手国が発行する入国許可証です。国によってはVISAが不要なところと必要なところがあると言われますが、基本的にはすべての国にVISAは必要だと思った方がいいです。
ただ空港でとれる国とか、お互いの政府の相互免除協定で、観光に限り三ヶ月以内の滞在にはVISAを取らなくともかまわない国に対して「ビサなしで入国できるとか、ノービザで大丈夫とか」言われてるだけなのです。
出発1カ月間前までには、目的国の入国条件を必ず自分で確かめておいてください。
パスポートの残存有効期間は何カ月必要とされるのか、書類はどんな物をそろえていけばいいのか、写真は何枚写真の大きさは(ほとんどの国でサイズに関しては4×3センチぐらいあれば文句を、いわれませんがインドだけは厳格に5×5センチの写真でないとビサがおりないことがありました。定規でちゃんとはかって2ミリくらいでもサイズが小さいとダメなこともありました。95年の7月現在ではおおむね5×5センチであればいいみたいですが)、いろいろと面倒です。本国からの通達で昨日までの条件と今日からの条件が違うこともあります。
ルールは一緒でも、担当者が変わっただけでもルールの解釈の違いで、必要書類とか、取得必要な日数が変わったりします。極め付きは、日本にある各国大使館の解釈と、現地の空港の入国管理事務所との解釈が違うこともあります。まあそう言うことは結構よくあることなので、焦らず、怒らず、粘り強く、自分の意見を押したり引いたりしてみてください。何とかなったりすることもあります。
ほとんど皆さんの目的は観光でしょうが、目的が留学であったり、ビジネスであったり、取材であったりするときは、それぞれ書類とか手続きもかなり違います。例えばアメリカへ行く場合どんな時でも、日本人はビザか不要と言うことではなく、短期の観光旅行に限りビザを免除すると言うことなので、もし留学とか駐在の時はそれなりのビザを取得してから行かねばなりません。
この辺りを簡単に考えてアメリカへ行くととんでもないトラブルになることもあります。アメリカ入国の時は入国審査官がかなりつっこんだ質問をします。どんな目的で来ましたか、と聞かれたときに、観光できましたと答えればなんら問題はないのですが、英語を勉強に来ましたなんて答えるともう大変です。それが本当は観光できたんだけれども、できたら語学学校に2週間くらいかよって勉強しようと思った軽い気持ちであっても、すんなりとは入国させてはくれません。目的にあった、ビザを持ってない場合入国は許可されないからです。たまたま、短期の観光に限りビザを免除してもらってるのに、留学したければそれなりのビザを取ってからでないと入国できないのです。
書類の手続きで最低限のものは、パスポートとビザです。これにお金、航空券の4種類があれば海外旅行には出発できます。ですが、これはコンピューターでいえばウインドウズが動く最低限の環境がそろったに過ぎないのです。
CPU386SX以上、4MB以上のRAM、25MB以上の容量のあるハードディスク、VGAモニタ、これだけでものろのろとウインドウズは動きますが、実用的ではありません。旅行も同じ、快適に旅行を楽しもうとすればもう少し色々な物が必要になってきます。
○お金
地獄の沙汰も金次第。お金の話です。海外旅行が自由化されたときは、持ち出しが自由にできる外貨は,US500$ぽっちでした。当時は1$=¥360。18万円でした。外貨の交換ごとにパスポートを持って銀行に行き、交換の欄に今回何ドル替えたかが記載されました。それに比べ今はもうほとんど無制限に近い状態です。
さて、海外旅行にお金を持っていく方法は、まず日本円を外貨に替えますが、その時、現金と、トラベラーズチェックに替える2通りの方法があります。現金は、現金ですから何かと使いやすいですし通用もほとんど問題ありません、ただし現金は無記名ですから今手に持ってる人がその価値の分だけ利用できてしまいます。つまりなくしたり取られたときは保証が全然ありません。
トラベラーチェックは銀行が保証する旅行者用の小切手ですから、額面の1%の手数料を払わなければいけませんが紛失盗難の時など、なくした分だけ再発行してくれます(再発行も無条件でやってくれるわけではありませんが、条件だけきちんと満たしていればまあ再発行はそう難しくはありません、その条件は後で詳しく説明します)。トラベラーチェックには2カ所サインするところがあります、1カ所は銀行で購入したときに書き込み、もう1カ所は使用するときにサインします。2つのサインが一致して初めて小切手が現金と同じ価値を持つのです。サインは、ローマ字でも漢字でもかまいませんができたらパスポートにしたサインと同じにしておくと何かと便利です。
外貨は何に替えていくのがよいかというと、もし今から行く国が初めてで情報もあまりないところなら無難なところでUSAのドルです。現金か、トラベラーチェックかと言うことになるとこればかりはケースバイケースです。最近やっと外国人旅行者に門戸を開いたような国なら、外貨は現金しか通用しなかったりすることもありますので、現金の割合を、通常より増やして、現金6割、トラベラーチェックを4割くらいにしておきましょう。
今は日本円も、国際的に通用する外貨の一種ですから交換率が良い悪いは別としてほとんどの所で通用します。出発前の空港で、銀行が混んでいてとても交換している暇がないときなどは、日本円の現金等を持っていってもかまいません。どの国にどんな外貨を持っていくかと言うことは、時間を掛けてじっくり調べれば解りますが、この辺はおおざっぱでよいと思います。極端な損をしない組み合わせであればよしとしてください。もし最悪の選択をしてかなりの為替の損が出たとしても、遊びに損は付きものですし、余裕を持たねば遊びではありません、次に気を付ければいいことなのです。最低、旅行会社、観光局、大使館、銀行位は電話だけでかまいませんから問い合わせしておいてください。
○クレジットカード
お金の一種ですが、あるとこれほど便利な物はありません。特に北米ではこれがないと旅行ができないくらいに重要なものです。ホテルの予約をするときも必要ですし、泊まるときも、支払いも、レンタカーを借りるときは特にクレジットカードがないと借りることができなかったり、多額の保証金を要求されたりします。カードがない人は、それを必要としない大金持ちか、変わり者か、あるいは持とうにももてない破産者かのどちらかに分類されてしまうからです。可能性としては、破産者か変わり者に見られる方がほとんどです。モーテル以上の宿泊設備を利用しなが ら旅行しようと思うと、クレジットカードがない場合はかなり苦労します。
AMEX、VISA、JCB、色々なカードがありますが、たくさんあっても基本的にサービスには変わりはないので、そのポピュラーさからいって,VISAだけで十分です。最近は提携カードが増えていて沢山の種類がありますが、なんとかVISAとなってればほとんどの所で利用可能です。細かいサービスを比較したらきりがありません、クレジットカードが使えるところはほとんど100%近くVISAは使えます。でも、VISAは使えてもJCBはだめというところはあります。おおざっぱいい加減、基本性能だけ十分なら由とするトラベルメイト流から言えば、カードマニアでない限りVISAだけで不便はありません。
クレジットカードを手にするには、一応審査があります。今までクレジットカードで問題を起こしたことがある人とか、定職がない人は取りにくいかもしれません。カードが手に入らなければ。それはそれで仕方がないのでそれなりの旅行をするしかありません。なくとも旅行をすることは問題なくできます。ちょっと不便は不便ですが。
○海外旅行保険
転ばぬ先の杖です。絶対にかけていってください。これは旅行者の義務です。詳しくは保険のパンフレットを参考にしていただくとして、システムはこうなっています。
基本の契約として、傷害の死亡と治療(つまりけがをしたときの保険)をかけなくてはいけません。基本契約をかけた後は特約と言って色々な保険をかけることができます。病気の死亡と治療、賠償責任、携行品、救援者費用、自動車保険、旅行短縮費用、ざっとこんなもんでしょうか。特約については不要と思う部分を削ったり、ここだけは多めにとか自分で色々考えることはできます。じっくりパンフレットを見て考えるのは面倒だと思う人は前もって組み合わせたでき合いのセット物もあります。家族で同一行動するときには家族割引保険もあります。別々で入るよりまとめて入った方が、保険料が安くてすみます。
まあこれは、実際に申し込む旅行会社の方で相談してください。ここでは、一番基本の話をいたします。最初に絶対掛けていってくださいと説明しましたが、本当に絶対海外旅行に出るときは海外旅行保険(正式には海外旅行傷害保険)をかけない限り、出発してはいけません。
保険料の金額としては、数千円から数万円まで、期間の長さと、保険金の額によってはかなりの額になります。他のことはいい加減でもかまわないですが、これだけはきちんとしておいてください。地獄の沙汰も金次第と言いますが、地獄ほどお金が必要な所は他にありません。ここの部分ではけちってはいけません。
特に重要なのは、特約の中で救援者費用という項目です。案外傷害とか疾病の陰に隠れて注目されないのですがここは最低でも500万円はかけていってください。もし事故が起こったとします、本人が死んでしまったとします、これは本当にどうしようもありません、死んじゃったのですから、あわてても事態が好転することはありません。
ところが、運良く重傷を負って助かったとします。事故の起こった場所がいわゆる先進国の都市であれば医療設備はかなり整っていますから、傷害保険の治療費用でカバーできるかもしれません(先進国には治療費用が高いためのトラブルはあり得ますが)。
もし中進国以下のしかも田舎で起こったとしたら、医療設備の整った病院へ運ばないと助かる命も助からなくなってしまいます。病院のある都市まで、未舗装の山道で5時間(これだってかなり経費は掛かりますが)、重傷患者であったらほぼ運搬途中で死んじゃいます。助けるためにはヘリコプターか軽飛行機が必要です。場合によってはその国では治療できないので、大都市の病院で応急手当をして、そのまま小型ジェット機で治療のできる病院がある国へ飛ばねばならないかもしれません。
このような手配が全部必要になったとしたら、500万円でも足りません。こんな時のために救援者費用の項目があるのです。普通の家庭で家族の1人が、運悪く海外旅行中に事故にあった、しかし運のいいことに重傷を負って助かった、でもスグに助けないと死んでしまう、そのためにはヘリコプターと小型ジェット機と医者と看護婦が必要で、明日までにまず300万円、5日後までに残りの500万円がないとまずい。どうします、いっそのこと運悪く死んでくれていたら、800万円も必要ではないのに。800万円もどうしよう、なければ確実に死んじゃうし、お金を払って治療を受けても100%助かるとは言えないし。家を担保に銀行から借りるしかないか!
担保の家がない人だっているわけで、逆立ちしても鼻血もでないことだってあります。現場に飛ぶ旅行費用だって馬鹿にはなりません。転ばぬ先の杖です。海外旅行保険の中でも「救援者費用」に注目してください。
そんな嘘みたいな本当の話、作り話じゃないのと言われる方もおられると思います。作り話ではありません、稀にですが、よくある話です。
元々の保険さえもかけていかない人がおられますが、これは本当に迷惑千万です。血だらけになって倒れていたり、病気でベットの上でうなっている人がいたとしたら、まあ一応は無視はできませんでしょう。国とか場所によってはそれってなもので、倒れていたりうなっていると身ぐるみはがされてしまい、金の入れ歯さえなくなってしまうところもありますが、ほとんどの所では、一応は無視されませんと思います。
で、病院に運ばれて治療を受け助かったとします。保険を掛けてなければ、高額な医療費など直ぐ払えるはずがありません。病院の隙を見て逃げるしかありません。
オーストラリアで実際あった話で、誰が助けられた日本人の医療費を負担するかでえらくもめてたことがあります。本国では目がでないのでお金を稼ぐのに観光を装って入国し、働いている最中で事故が起き、医療費が払えなくてトンズラするのはまだしょうがないかなと言う感じはしますが、観光で遊びに行くときくらい自分の医療費を払えるぐらいの保険に入っていくのはこれはもう義務です。
○各種パス類、レンタカー
ヨーロッパ、北米などの旅行には各種割引パスを日本から購入していくと便利です。バス、鉄道、航空券に沢山の種類の割引がありますので自分にあったものを探して利用すればかなりの節約ができたりします。他にインドの鉄道とか航空券の周遊券とか、東南アジア各国を回れる周遊券、インドネシア国内の飛行機の周遊券、等色々あります。どこに何があるかを調べるには、旅行者の基本観光局へ問い合わせろです。
レンタカーを借りるのにクレジットカードは絶対必要です。自分がなくとも、同行者が持っていれば問題はありませんが、とにかく清算するときに車一台につき一枚のクレジットカードは必要です。クレジットカードがない場合、多額の保証金を請求されたり(保証金は後での支払いに当てますが)、車のレンタルを断られたりします。年齢も重要で21歳以下の場合レンタルできない会社もあります。
予約は日本からしていっても現地で予約しても基本的にかまいませんが、以下に書き出すケースの場合は日本から予約をしていってください。
・普通車でない車が必要なとき
ミニバン、四輪駆動車、キャンピングカーなど
・大都市でない所で借りるとき
中都市以下の所ではレンタカーが全部出はらっていて、1人なのにリンカーンを借りる 羽目になったり、車が手配できるまで1時間待たされたりと言うことがあります。
・大都市でも空港で借りるのでなく市内の店で借りる時
ビジネス街の近くの営業所など、ちょっと寝坊して朝10時ころコンパクトカーを借り に行ったりすると全部車は出はらっています、マイクロバスでどうなどと言われたりし ます。
・大都市であってもイベントがあったりしたとき
これは理由を説明しなくても解りますでしょう。
現地で必要なのは、国際免許ですが、国によってあるいは会社によっては日本の免許証 の提示を求められることもあります。逆に国際免許証でなく日本の免許証があれば運転 できるところもあります。
○旅行に持っていく荷物
まずパッキングするための鞄をどう選ぶかという事ですが、パッケージに参加する人はサムソナイトに代表されるハードなトランク類を選ぶことになります。外側が堅いプラスティック製のため中に詰め込んだスーツ、ワンピース、ネクタイ等がしわにならずに運べます。現地で買ったおみやげ類も大きな物でなければ、トランクの中入れておけば傷が付かずに持ち帰れます。欠点は重くて持ち運びがしにくいことですが、旅行中は目的地の空港に到着したときからバスが迎えに来ていますし、ポーターも手配してありますから、自分で持ち歩くことはあまりないと思いますのでパッケージにはトランクがぴったりです。
手配旅行する人はどうでしょう。前もって出発から、現地到着、帰国まですべてのホテル交通機関が手配済みの時はパッケージと同じトランクです。基本的に航空券のみの手配の人は、リュックサック型の背負えるバッグをお薦めします。荷物が少なくて田舎の方に行かない方は、肩掛けのバッグでもかまわないかもしれません。
これらパッキング用品を買うのに、デパートの旅行用品売場とか海外旅行用品専門店へ行くのも悪くはありませんが、もう一工夫あればなかなかおもしろい買い物ができます。
カメラ用品屋、ここはカメラバッグ中心ですがカメラバッグ自体にも旅行バッグに十分使える大きさと耐久性を持っているのも多いのです。ディスカウント屋には旅行バッグも、ボストンバッグもトランクも種類は多くないけども安いのを売っています(郊外のディスカウント屋は種類も豊富です)。
スポーツ用品店には、バックパックとかハイキング山登りスキー等へ行くためのバッグをたくさん売っています。ここは特にトランク類はありませんがそれ以外の旅行にはぴったりのバッグ類がたくさんあります。アメリカの通信販売は、出かける前から海外旅行気分が味わえるので超お薦めです。LL.BEANとREIが注文は簡単だし、日本に問い合わせ先の事務所があります。料金は日本でへたなディスカウント屋で買うより2〜3割は確実に安く品質もそれなりの水準を超えています。航空便で注文すると2週間ほどで手元に届きます。
トランク類は、レンタルするという手もあります。年に1回程度の旅行でしたら買うよりレンタルが安くすみます。
○荷物の分け方
荷物の外側は、決まりました、次は中身をどう整理するか、国内ではずぼらな人も海外では几帳面な人になってください。海外旅行ではいい加減と、ルーズが似合うと言いましたが、荷物の整理だけはダメです。
荷物は3分割がお薦めです。
(A)超貴重品
これだけあれば日本へ帰国できるもの、帰国の航空券。パスポート。お金。
(B)貴重品
金目な物、これは高価な物を旅行に持ってくること自体が間違ってはいますがカメラ とかビデオなどはしょうがないので大切に扱います。旅行中に知り合った友人の住所、 お土産、クレジットカードなど日本に帰国するときにこれがなくとも帰れますが、どう してももって帰りたい物。
(C)生活用品
日々の旅行生活には必要だが、無くなってもそう高価ではなく現地でも調達できる物。 服の替え、下着、洗面用具、その他雑品。
持病を持ってる人は、その薬が(A)になったり(B)に入ったりするかもしれませんが、一口で言えばホテルが火事になって煙の中で持って逃げるのは(A)、洪水で大きな荷物を持ったままでは救助のボートに乗れないときは(A)と(B)、何のトラブルもなく帰国できるときは(A)(B)(C)全部。
できたら(A)はビニールの袋でくるんで貴重品袋か、腹巻きに入れます。暑い国では汗もができたりしてちょっとうっとおしいですが、安心のためにはしょうがありません。
(A)の中身は普通あまり変わりはないですが、(B)と(C)は毎日ホテルに帰ってから点検をする必要があります。通常(C)は外出中はホテルへおいておきますが、(B)は一緒に持って出ることが多いので、なるべく(B)の荷物は整理して軽く少なくするため、その日毎に不要な物を(C)の荷物としてホテルへ置いておくためです。
持っていくとちょっと便利な物に、ビニール袋とガムテープがあります。ビニール袋は、夜遅く洗濯をしたけど乾いてない下着を入れるにも重宝しますし、おおざっぱに物を整理するのにも便利です、ガムテープはバッグの破れそうな所の補修とか、別送の手荷物を包装するにも使えます。
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