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「トラベルメイト95」
- 【 バーチャル海外旅行 】
さてこれで出発までの旅行の商品の選び方はだいたいできるようになったと思います。今度はその旅行をどこでどういう風に買うかから始まり、めでたく帰国するまでの流れをつかんでもらいます。あくまでガイドブックの上でのことですから、ざっと読んでイメージを作ってください。理解しようとしてはいけません、読み流してください。
まずは自分の行こうとする旅行の目的地あるいは、目的にぴったりあった場所の資料集めです。ここは初心者から中級の中くらいまでは、そう重要視しなくともかまいません。普通このところを最重要だとする人とかガイドブックが多いのですが、実際はそうではありません。だいたいが右も左も解らない人が、本とか説明会とかあちこち回って沢山の資料を集めたとしても理解できるはずがありません。そんなことにコストと時間を使うより、旅行費用を稼ぐか借りるかして予算に余裕を持たせるか、同行してくれる旅慣れした友達を捜すか、休暇をもっと取ってゆったりとした日程を組むかした方が正解です。
ならば何も調べず旅行に出発すれば、途中のハプニングがおもしろいから資料など調べない方がいいかというとそうではありません。資料集めの準備は最も重要なところなのですが残念ながら一番難しい部分でもあるので、コストと時間とエネルギーを注いだ割には旅行に役立つ即効性がないからです。
最低限の資料はチyなものという意味でしょうが、とb出発してからその国へ入国、旅行して日本に帰国するまでの必要最低限のことです。日本人はビザが必要なのかとか、パスポートの残存有効期間が何カ月必要なのかとか、気候はどんなのかとか、物価の水準はどのくらい等です、文化がどうとか、日本に対してその国民がどんな感情を持ってるか等の当座の数日過ごすのに必要ない情報はまずカットです。考えたり感じたり解ったりするのは旅行の体験が終わってから何カ月も何年もかかるものですから、日本に帰国してから考えても十分間に合います。面倒なことはまず後です。
資料集めが終わって目的地も決まり、どんな旅行にするかも決まったとしたらどこでどう旅行商品を買うかです。大手旅行会社から中堅、零細、パッケージ専門の所から航空券のみの販売屋さん、繁華街にカウンターを出している会社から電話受け専門の所、いろんな所があります。どんな特徴があるか説明します。
旅行会社を決め申し込んだ後出発までの実際の手続きとか書類の流れこれも慣れてないとちょっと不安です。完全なパッケージツアーを頼む人は、申し込んだ後は出発案内が来るのを待つだけですみますが、それ以外の人は旅行の構成部品(旅のパーツ)のどれを日本で頼んでいくのか、現地払いはどれなのかをはっきりさせる必要があります。旅のパーツにはどんなものがあるのか、言葉を覚えると同時に意味も性格に覚えなければいけません。
さあやっと空港へ出発です。空港でもトラブルはあり得ます。ここを通り過ぎないと海外旅行へは出発はできません。簡単に飛行機のチェックインとか出国の方法を覚えてください。
やっと飛行機の中です、ここも最初は不安がいっぱいです。初心者ほど自分が初心者に見えてないか、かっこ悪く見えてないかおどおどします。旅行は半面では見栄を張りに行くようなものですから。そして特に飛行機の中では田中康夫氏を先頭としてみんな大なり小なり見栄が服を着ている状態ですから、初心者は決して見逃されません。暖かい目で見てくれるような奴は1人もいないと思ってよいでしょう。ここはもうしょうがありません。初心者は初心者にしか見えません。しょうがないじゃないですか、かっこわるい初心者に見えても、本当に初心者なんですから。ヒラキナオリしかありません。
飛行機の便がどこにも寄らない直行便なら、日本で航空機に乗ってしまえば目的地まではもう安心です。ところが経由便とか乗り換え便の時はとんでもないところへ行ってしまうこともあるのです。ホームアローン2のケビンは、フロリダへ行くつもりでニューヨークへ飛んでいってしまいました。
ようやく目的地、ここでもビザがあっても場合によっては入国できず日本へUターンと言うこともあります。双六の最初へ帰るって奴です。入国できても次は最初の宿泊先のホテルへたどり着かなければなりません。
目的地最初の朝、海外旅行の始まりです。ここまでで旅行の70%はもう終わりです。帰国準備スタートです。長かったようで短かった旅行も終わり帰国前日、明日の帰国の空港へ行く前にチェックすることはたくさんあります。帰国前日に気づいてもどうしようもないこともありますがとにかくチェックです。最後に空港までのタクシー代は現地通貨で十分ありますか? 空港税は? 日本へ帰ってから自宅までの交通費は、これは馬鹿にならない金額ですよ。
当日空港でやることのチェック、帰国の航空機、もう少しは見栄を張ってもいいかもしれません。相変わらず初心者にしか見えなくとも許します。もうソフトドリンクだって堂々と注文できるようになったでしょうから。
日本入国、やはり本国であっても帰国の手続きは必要です。誰だパスポートはもう要らないと思って航空機の前の座席のポケットに捨ててきたのは。
2週間前に出かけたばかりなのに何故か自宅が妙になつかしいです。やっと帰ってきた、やはり自宅は良い、近所のコンビニも良い、ここ2週間読んでいないジャンプ、サンデー、マガジン、ビッグコミック、ヤンジャン、アクションも読める、シュウマン、も今回つけ加えよう。小分けソバが涙が出るくらいおいしい。
まあ、こんな所でしょうか。無事何にもなくて帰ってこれればです。
無事に帰ってこれないときは、後始末が必要です。トラベルメイトではここまで面倒を見ちゃいます。無事帰ってこれなかった人の後始末編もあります。
「えっ、旅行中のことが抜けてるよ」と思う人は多いでしょう。抜けてはいません、ここまで来たからには本当のことを話しますが、旅行自体はそんなに意味を持ちません。旅行の計画を立てたときから目的地のホテルの第一日目の朝までと、帰国前日から自宅に帰って旅行の余韻が薄れるときまでは非日常の連続です。
少ない時間で沢山の人にあって、沢山の書類を出して、異国と最初に出会って、最後に分かれる場所。これらに比べれば、旅行中は文字通りレクレーションで、食事をしてお風呂に入って、寝て、起きてるときには適当な暇つぶしをして、日本国内でも毎日やってる日常生活のリクリエーション版の異国バージョンなだけです。一番緊張して疲れるのは目的地の旅行中ではありません。
時間的には短く、一見重要そうには見えない旅行の前後の色々な下準備、もっともこの部分でトラブルが多いし神経の緊張もエネルギーの使い方も並大抵ではすみません。危険度とエネルギーの消耗度を考えると7割を旅行の前後に、3割を旅行中に向けるのが正しいように思います。旅行の前後のこの隠れたブラックホールを今まで無視していたため、旅行を実際に始めたとき、こんなはずではなかったのに旅行を始める前から何故しんどいんだとほとんどの人が慌てふためきます。
ほら俗に言う段取り8分。下準備がうまく終わればほとんど仕事も8割終わっていると言うやつです。旅行を始める前だから、大変だししんどいのです。後かたづけもほとんどの仕事が終わった後のエネルギーが抜けた状態でのことですか、らこれも最後の一踏ん張りでなかなかしんどいものです。いい加減にのんびり楽しむのは旅行中だけの話で、その前後はあなたが日頃やっている仕事以上のシビアーな冷酷さと冷静さが必要です。学生でまだ社会に出てないとしたら、へらへらしたなあなあのことは通じません。
パッケージ旅行が楽なのはこの旅行前後のことをほかの人がやってくれるからです、ただしその分の人件費が上乗せされますから高くなるわけです(時間的に言えば旅行中の方が長いわけで、そのあいだのガイドとか観光が毎日含まれているから旅行がスムーズだと思いがちですがそうではありません。パッケージも個人手配旅行と一緒で旅行の前後が非常に重要です)。
では後半は実践バーチャル海外旅行です。出発から帰国までのイメージをざっとおさらいしましょう。
○資料集め
旅行へ行く目的地が決まってからの資料集めからスタートします。どこへ行くかということからのスタートですと、各個人でいろいろの選択ができますし好みもバラエティに富んでいるわけで、適切なアドバイスなどできるはずがありません。まず買うべき雑誌が3冊、「格安航空券ガイド」「AB ROAD」ちょっとマニアックな「BLANCA」、後は目的地にあわせた「地球の歩き方」これだけで十分です。
もっとマニアックな部分とか4冊を読み倒して次に進もうと思う人は本屋さんで気に入った物を選んでください。でも基本は4冊で十分です。
次には各国の政府観光局、政府観光局がないところなら大使館の広報部か観光部、ほとんどの国が東京に集中しています、首都ですから仕方ありませんが、大阪にもメジャーな国ならば出先機関があります。地方の方で東京や大阪に出かけるのはいまいち大変だという人は、返信用封筒に切手を貼って資料請求をする方法もあります。
電話での問い合わせは、具体的に質問内容が決まっていて直ぐ終わる用件ならかまわないのですが、単純に一般的な質問なら電話では時間がかかりすぎて無理なことが多いので、まずどんな資料が郵送で送ってもらえるのか確かめ、それを読んでから、具体的な質問があれば電話するのが礼儀です。
資料で調べるのは文化とか、思想などの面倒なことを最初から考えてはいけません。以前にも言いましたが最低限日本から出発して日本へ帰国するまでの書類の手続きとか気候、現地の衣食住、主だった観光の見所くらいにとどめておくことです。
資料として読んではいけない本があります。これも後でその理由を説明しますが、一口で言えば
「清貧の思想風、無銭旅行のすすめ」
「外国ではこうなのに、それに比べ日本では」。具体的には、「観光地など行くより何の変哲もない田舎町に旅行の醍醐味がある、良い旅行とは決してお金を沢山かけなくともいい、ただショッピングに行くより現地の人とふれあって現地の文化を感じる旅をしたい、」
「インドの貧しい少年のきらきら輝く瞳は貧しくとも生きていた、それに引き替え夜更けの山手線に乗ってる塾帰りの小学生の眠そうな目、私は未来の日本の行くべき方向をインドの貧しい少年に教えられた気がする」
「逆カルチャーショックとでも言うのだろうか、モンゴルの草原で2カ月ほど暮らし、久しぶりに日本は帰ってきて電車の中でそれを感じた。................一流どころのサラリーマンらしく上品なスーツを着てブリーフケースが膝にある。そのおやじがどうも異様に見えて仕方がなかった。彼は「少年ジャンプ」を広げ熱心に読みふけっていたのである。」
おう、おうみんな言ってくれるよな。最後のモンゴル編なんか、感謝の気持ちを忘れてやしませんか。椎名さん。おやじが稼いだ金で日本は経済発展したわけで、自動車とかブラウン管とか任天堂とかソニーとかパナソニックとか。
確かに日産フェアレディZは、プアマンズポルシェ(貧者のポルシェ)と言われてはいたけど紛い物でもポルシェはポルシェですよ。それらを売り歩いたからお金が残って、あんたら遊びに海外に出てその体験記が国内で売れるでしょうが。日本が貧しいままなら誰がモンゴルの話なんか読みたいと思います。それ以前に2カ月もモンゴルへ行けないですよ、Gパンの宣伝も撮りにいけなかったでしょうし。
もう一つ言わせてもらうなら日本の文化で今世界の最高水準にあるのは、漫画アニメの世界です。日本で一流ならフランスでは超一流です。日本語のままの本が現地でそのまま読まれているのは漫画だけですし、専門の本屋さんがやっていけるのも漫画だけです。日本のアウトドアの専門書とか自然保護の運動の本だけを扱う本屋がパリにあるとは聞いたことがありません。「少年ジャンプ」を読んでいるおやじは世界で一流の本を読んでいるのです。何が気に入らないんでしょうか。
話が少し脱線してきましたので本題に戻すとして、以上のような口当たりの良い優等生的な考え方の健全な本は、絶対に旅行にはなじみませんので、読まないでください。そしてそれらの本と著者に一言「う、そ、つ、き、」。
○パッケージあるいは航空券を申し込む
安くて良いものとか、裏ワザで極端に安いものを買うとかのスケベ心をまず落ちつかせて、予算と時間の配分をうまく考え、捨てるものとどうしてもこだわることとを冷静に決めてください。巻末にある予算の建て方の表を参考にして頂いた方がいいと思います。
パッケージ旅行は素人の参加する物だとか、貧乏旅行は旅の究極の形だとか、逆にショッピングを楽しむ団体旅行は本物の良さを知らないお上りさんのやることだ、ヒッピー旅行はみんなに迷惑をかけている恥ずかしい物だとかの先入観はぜーんぶやめにしましょう。
何を自分が一番したいのかをきっちりと決めてから旅行を申し込むのです。ただ遊びたいそれだって十分な理由です。何をしたいのか解らないけどもほとんどの人が海外旅行に出かけるから、行かなければ取り残されてしまう。今のほとんどの大学生は最低在学中には一回卒業旅行でも海外旅行しなければ、と強迫観念に近い物があるようですが、それだって本人にしてみたら十分な理由です。
理由に良し悪しはありませんが、あれもこれも欲張るとろくなことはありません。一番の大きな理由を自分なりに納得して、それが少しでも達成されたら満足してください。
まずパッケージに決めたら、予算に合わせての商品探しです。第1ブランド、第2ブランド、キャンペーンもの、そしてパッケージの場合は必ず2人以上で申し込んでください。
通常パッケージ料金は、一部屋を2人で利用したときの予算で計算してありますので、1人で申し込んだときには、一部屋を1人で利用するための追加料金、シングル料を払わされます(一日一部屋1万円とすると、1人で泊まると一日当たり1万円ですが、2人で利用すると1人一日当たり5千円ですみます)。
香港4日間などの1都市滞在型は、1人で参加てもせいぜい観光中に同じコースのメンバーと顔を合わせる程度なので、自由行動中は自分一人でぶらぶら旅行できます。しかしオーソドックスなイタリア・パリ8日間とか、ロマンチック街道とスイスの旅10日間などは同じメンバーで何カ国か回るわけでほぼ朝・昼・晩と毎日顔をつきあわせたままです。
ほとんど友達同士で参加している人が多いので1人参加したあなたの入り込む隙はありません。パッケージに1人で参加すると料金は上がるし、他の人のペースにあわせなければならなくなるし、我慢の連続ですからあまりお薦めできません。
一緒に行く友達を1年くらいかけても探す方が先決です。でも友達もいないし、だけど旅行には行きたいし、航空券だけで旅行に行くのも恐いし、ならば仕方ありませんパッケージ参加しか方法はありません。この旅行は我慢と忍耐の後には本当の楽しみが待っているスポコン物語そのままのすばらしい体験が待っています。
航空券中心に手配旅行で行くと決めたら、どんな種類の航空券を利用するか決めないといけません。帰国日が指定の日程以外に変更できないものをFIXの航空券と言います。帰国日が変更できる物をOPENの航空券と言います。
そうならばオールマイテイに使えそうなOPENの方がよさそうですがそうともいえません。普通帰国日が決まっているものよりも旅先でどんなことがあるか解らないので、帰国日が変更できる方が使い易いと思ってしまいます。
ところが航空券を利用するときには、その航空券が有効なのかということ以外にもう一つ自分の飛びたい日時の飛行機便に空席があるかということが大きな問題です。OPEN航空券は指定有効期間内であれば日時変更をして予約をする権利は確保されています。ここがくせ者です。
予約する権利は確かにあります、でもその当日その便に乗りたい人が150人いて座席は120席しかないとしたら30人は乗れません。簡単な算数問題です。あなたが予約したのが135番目だったとしたら16人分のキャンセルが出ないと乗れる権利が実際には実現しません。
特に混んでいるピークシーズンには、OPEN航空券で帰国日の予約をしないで出発すると予定帰国日が1週間遅れてしまったりします(OPEN航空券に前もって日本から予約を入れてOKの回答をもらっていけば問題はありませんが)。この辺をよく考えてFIXにするのかOPENにするのか決めてください。(後編で航空券の徹底的使い方の説明はします。)しかも、料金は、FIX物よりOPENものの方が高くなります。
次はどの航空会社を使うか決めねばなりません。普通運賃の航空券を利用する限りでは、同じ区間内の同じ経由であれば同一料金ですが、いわゆる格安航空券(ディスカウント航空券)では航空会社によって料金が違ってきます。
飛んでいる便が多く、正確なスケジュールで、機内サービスもいい航空会社は料金は高くなります。逆に便数が少なく、よく遅れて、機内サービスも良くない航空会社は料金は安めの設定になります。
一般的に言って、短期間の旅行ならなるべく飛んでいる便が多く正確なスケジュールで運行している航空会社をお薦めします。長期間の旅行ならどれを選んでもかまいません。予算があれば高くてもサービスのいい方がいいでしょうし、予算がなければ安い航空会社でもかまわないでしょう。
理由は、短期の2泊3日の旅行なら飛行機便のフライトキャンセル(飛行機便の運行がお休みになること)で2日間帰国が狂ったとしたら大変なことですが、長期の3カ月間の旅行中2日間日程が狂ってもそう影響はないからです。
パッケージも、航空券も第一希望から第三希望くらいを最初から考えておいた方がいいです。常に希望のコースとか日程が取れるとは限らないからです。
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