トラベルメイト > トラベルメイト95
<<前のページ 次のページ>>
「トラベルメイト95」
- 【 実際の航空券の使い方 】
○航空券の種類
航空券の料金は、普通運賃のものなら出発日、航空会社の如何に関わらずIATAという機関で決められた料金になっています。そして旅行会社で買っても航空会社で買っても同じ料金です。これらは高いだけあって何でもありの航空券です。有効期間は1年間、帰国日は自由に変更可能、定められた距離の内ならルート変更、ストップオーバー可能、利用航空会社も変更可能です。
普通運賃以外にいろいろの限定の条件を付けて料金を安くしたものにPEX運賃があります。ここまではルール上では航空券単体で売って良いことになっているものです。
ツアーをつくるときに使う素材用の航空券がIIT、とかGIT(これは94年3月まで)、と呼ばれる君(仮名)の話をしましょう。
ってはいけないことになっていますので旅行会社に回る料金表では、最低ホテル2泊と観光などの手配をつけていくら以上で売ってくださいと一応注意書きはしてあります。が、ほとんど守られてはいません。
みなさんが利用する航空券は、稀に普通運賃の航空券利用のものもありますが、ほとんどはPEXとかIIT利用のものです。ここではこれらについては詳しく説明はしません。初心者のあなたは、今自分が買った航空券がどんな種類のものがあるかだけを覚えてもらえればいいのです。
○どんな航空券を買ったらいいか
まず自分がしたい旅行の条件をはっきりさせます。そしてその中で絶対捨てられない重要な条件を決めます。条件同士が矛盾しあうときは、どっちかを必ず選択します。安くて、便数が多く時間通り飛ぶ航空会社を選びたいときは2つの条件を満たすところはありません。安ければ便数が少なく、よくスケジュールが変わっても気にしないか、高くとも便数が多く時間通り飛ぶ所を選ぶか、どちらかです。
当然条件の中にも自分の旅行への慣れ具合も入れます。中級者以上なら十分使える航空券でも初心者にはちょっとと言うこともあり得ます。この部分は、まあ何とかなるだろうと甘く考えないでください。へたに航空券の部分でトラブルを起こすとそれの処理で多大な時間と費用を使うことになります。まさに安物買いの銭失いになってしまいます。パッケージの所でも条件の一つになりましたが、まず時間がどのくらい使えるかという部分、初心者のころは5日間しか余裕がない人は安いが便が少ない航空会社はやめておきましょう。
要は安さだけで選んではいけないと言うことです。秋葉原のパソコンショップ街で1円でも安くと、あちこちかけずり回っているのは初心者から中級者までです。中級者の上から上級者は、価格とサービスの微妙なバランスを考えてお店を決めています。第一かけずり回る経費も馬鹿にはなりません。
本当に予算がない場合は、もうそれに合わせて行くしかありませんが、少しでも余裕があるときは、無理して安めの航空券を選ばない方がいいのです。航空券を安く買うのが旅行の目的ではありませんが、どうしても初心者のころは、千円安く買った、3千円安く買ったというのが自慢になります。自慢するのも旅行の醍醐味のほんの一部ではありますが目的ではありません。
○パッケージの選び方
航空券だけではなくホテルとか観光が含まれている物をパーッケージ旅行と言いますが、これもパンフレットの価格だけで選ぶのは愚の骨頂です。別紙1の比較表に含まれているものを書き込んで単位をそろえて比較してみてください。
利用航空会社が違えば料金は当然違ってきますし、直行と経由では通常直行便の方が料金は高くなります。ホテルも利用するところによって料金はかなり違ってきます。海岸沿いのリゾートのホテルでは部屋から海が見えるか見えないかによって大幅に料金が異なることもあります。これらを同じ条件にしてみて比較するのです。
○旅行会社の選び方
旅行会社にも色々な種類があります。規模の大きさから大手・中堅・小規模。扱っている商品の種類で、パッケージ専門、航空券専門。目的地別で一般的なところ、秘境専門、目的別でスキー専門とか、スキューバダイビング専門、留学専門等々。これらの分類はきっちりと分かれたものではなく、場合によっては、一つの旅行会社が色々なジャンルをだぶった形で持っていたりしますのでなかなか理解が大変ですが、別紙2の表を参考にしてください。
大まかに分けると、キャンペーンの安い目的地へ行くなら大手の旅行会社のキャンペーンもの。ただしこれも大手の場合、全社でキャンペーンをやっていれば問題はないのですが関西地区だけとか、特定の支社でしかやってないとかありますので探すのに苦労することもあります。特別にコネクションとかなければ旅行雑誌をこまめに見て探すことです。
あまり一般的でないところへのツアーとか航空券はその国の政府観光局か、観光局がないところは大使館へ問い合わせるか、それもないところは「地球の歩き方フロンティア編」等を参考にするとよいでしょう。
航空券がメインでホテルとか現地のオプショナルも頼みたいときは、その目的地が一般的なところなら大中小どこの旅行会社にあたっても大丈夫です。通り一辺倒な知識であっても手配は可能だからです。
目的地が一般的でないところだと少し面倒です。慣れているところでないととんでもない条件の航空券しかなかったり、料金がかなり高かったりします。相手国のビザの問題とかも複雑に絡んできますので特定の目的地に強い旅行代理店に頼むしかありません。こればっかりは大手はもっとも不得手とする分野です。たまにどこそこの支店には、スペインの片田舎がめちゃくちゃ強いとか、イタリアの南ならまかせておけという風な人がいることにはいますが、移動があったり、その人が強い分野をまかせられているとは限らないからです。それにそういった人に行き当たるにも大変な労力が必要です、ならば最初から専門の会社の方が有利です。
友人とか知り合いのコネクションで選ぶ方法もあります。これは、宣伝とか広告のフィルターを通っていない分だけ割に的確な判断ができる情報です。少なくとも一見さんではないので、そうひどい扱いは受けないと言う期待がもてます。この一見さんではないことは大変重要なことです。どんな商品のお店でも一緒ですが、一見さんより常連さんが良い扱いを受けるのが当然のことで、それが解っているのでしたらよほどの情報量の差とか、料金の差がない限りあまりあちこちの旅行会社を渡り歩かない方がいいでしょう。5万円以下なら3000円、5〜10万円なら5000円、10万円以上なら5〜6%ぐらいの差なら、一応他ではこのくらいで売ってるけども少し下げてよ位は交渉してもよいと思います。安さ最優先であちこち渡り歩く人は、常に一見さんの扱いを受けるわけで、まあそれはそれで徹すれば一通り主だった旅行会社で覚えてもらえるまでにはなるでしょうが、そのレベルに達するまでの手間と経費を考えるとお薦めできません。
ここまでで本当の初心者入門編は一応終わりです。少しは旅行の臭いを感じてもらえたでしょうか。今までのガイドブックと何かが違うと感じられませんでしたか、まず決して明るくはないですよね、中に書かれている内容が、トラブッタり初心者は簡単には何事もできないぞと書いてあったりで、すばらしい海外旅行、異なった文化とのふれ合い、何かが変わった私、といった一見明るくためになることは何も書いてありません。
実際に初心者が体験することは、ほとんどの場合何事もスムーズに動かないことでしょうし、トラブルがトラブルと判断できない手探り状態です。そんなところへすばらしい海外旅行と言ってみたところで何の実感もわきません。
何回も繰り返すようですが、初心者の時は高望みをせず目の前に起こってることは、そのまま素直に受け入れてください。本当の俺の実力はこんなものではない、もっともっと現地の文化を体験しなければ等とは決して思わないことです。特に同じ初心者の旅行者同士の見栄の張り合いはどう見たって、初心者同士にしか見えませんから、頑張っても無駄です。それよりも自分が楽しいこと、楽なことをしませんか。一日で回った観光地の数とその知識を自慢するより気分が乗らなければ一日中ホテルの部屋でボーとしてた方が楽でしょう。あなたは遊びに来てるんですよ。帰国した後どっかにレポートでも出さなければいけない研修旅行ではないはずですから。
<<前のページ 次のページ>>
↑ページ最上部