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「トラベルメイト95」
- 【 きちんと覚えたい旅行の実践編・初心者向け 】
航空券の話からまず始めましょう、旅行を作り上げるためのパーツの中でもっとも大きなウエートを占めているのが航空券であるからです。パッケージに参加なさる方は通常使用されるのが団体用の航空券ですし、現地の旅行会社が色々サポートしてくれるので航空券の知識もあまり必要ありません。
個人で手配旅行を楽しみたい人は、航空券についてエキスパートである必要があります。ここではわかりやすい説明を心がけています。例えば人の顔を説明するのに似顔絵で説明する方法を採ります。写真で説明するより特徴をデフォルメしてわかりやすくしたほうがより理解しやすいからです
なるべく言葉の意味とか定義も統一して使うようにはしていますが、わかりやすさを優先させますので、航空券の発券のルール上の定義と若干違うこともありますのが、ご了承ください。
航空券にはいろんな種類がありますが、まず昔からあったのが普通運賃の航空券です。当初はエコノミークラスとファーストクラスの2種類だけでした(当初と言っても時代は大衆旅行が始まりつつある1960年代からの話です、二次大戦以前とか終戦直後の話はまた別です)。エコノミーは略号は<Y>で表されファーストクラスは<F>で表されます(ローカルな区間を飛んでいる小さな飛行機は、FがなくYのみのシートということもあります)。この普通運賃の航空券は国際線に関しては、自分の飛びたい区間を飛んでいるほとんどの航空会社が利用可能です。
例えば、東京、ハワイ、ロサンゼルス、メキシコシティーと旅行するとき、この区間を飛んでいる飛行機会社を自分の都合で選べます。ただし例外がありましてハワイ・ロス間はアメリカの国内区間になりますから、飛んでいてもこの区間だけを利用することはできない航空会社もあります。例えばノースウェスト航空は、ロス・東京・大阪と飛んでいますがこの区間の中からロス・東京をシンガポール航空で飛んで、東京・大阪だけをノースウェスト航空を利用することはできないのと同じです。
次に海外旅行も大衆化して団体旅行が始まります。運賃は普通エコノミー運賃より団体割引で安く設定されました。だいたい団体が適用される人数は最低10人〜15人から、30人、35人、大きなグループだと50人のサイズもありました。団体航空券はルール上はホテルとか観光がついた形のパッケージで売ることが条件です。あくまで素材としての利用方法しか許可されなかったのです。最初のころは一応このルールは守られていました。でも旅行者数が増えるにつれパッケージだけでは飽きたらない層が増えてきました。当初は日程中の観光付きの部分を削って自由行動日に変えたり、中抜きと言って途中のホテルの手配を削ったりしました。そしてとうとう到着日とか帰国日だけのホテルの手配に航空券という商品も出始めました。こうなると航空券だけの販売までもう一歩です。
ただ航空券だけの販売は特定のマーケット、例えば学生の春夏の休みにあわせたものとか、在日外国人向けのマーケット、などにはかなり昔からありました。ルールにはない航空券ですから一般のマーケットに堂々と大手を振って販売はされなかったのです。完全な違法でもないいわゆるグレーゾーンとでも言える状態が何年か続きました。この頃(1960年代後半から70年代前半)ヨーロッパとかアメリカでは、マーケットの需要にあわせた航空券が売られ、日本から海外に行っている駐在員、留学生、旅行者等には割引のディスカウント航空券はもう常識だったのです。
航空会社は日本にあるのは日本航空だけ。残りの数十社は外国の航空会社です(現在外国への航空路を持っているのは、日本航空、全日空、日本エアシステムとありますが昔は日本航空だけだったのです)。その各航空会社は、メインのアメリカ、ヨーロッパの支店又は本店ではディスカウントを売ってるわけですから日本だけルールの適用が厳しいとはいえ、普通運賃だけを売るわけがありません。まず特定のグレーゾーンを扱っているマーケットに、普通運賃の割引、次に団体航空券の素材売り(つまり航空券だけのばら売り)を始めます。そしてだんだんグレーゾーンが量的に増えてきますと世の中に認知され始めます。ここで困ったことが起こります。
飛行機に乗った後は、座席のクラスが<F>と<Y>しかないので普通運賃を払った人も、ディスカウント航券を買った人も同じ<Y>に乗るしかありません。普通運賃のものは、途中下車とか他社の航空会社に乗り換えることができるなど条件が充実しても、料金が2倍以上離れていますと苦情が出始めます。ならば<F>に乗せればいいかと言いますとそうもいきません。そこで<F>と<Y>の中間に<C>つまりビジネスクラスができたわけです。
現在は普通運賃のカテゴリーで<F><C><Y>の三つ、ディスカウントの航空券に使える分として<Q><K><B><M><N>等細分化されています。ほとんどの方が使う航空券は<Y>から後の部分になります。
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