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トラベルメイトトラベルメイト95

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「トラベルメイト95」
  1. 【 パッケージ旅行 】

     パッケージ旅行にも2種類あります。通常みなさんの目に触れる、不特定多数の人を対象するパッケージ旅行。これは席さえ開いていれば誰でも参加できます、もう一つは特定の人向けの団体旅行、例えば電機メーカーが系列の小売店の売り上げに応じてハワイとかバンコックに招待するとか、生命保険会社の優秀なセールスマンをアメリカに招待するようなものから、学生の修学旅行等のどっかに属している特定の人だけが参加できる旅行です。この特定の人向けの旅行も業界の中で見ればかなりの割合を占めていますが、普通の人向けのものではないので、通常目に触れないけれどもこんな旅行もあるとだけ覚えておいてください。

     普通のパッケージ旅行は、価格別に分けると第一ブランド、第二ブランド、キャンペーンの三つに大きく分けられます。
     パンフレットも、カラー刷りで各目的地の地図から見所まで載っている分厚い第一ブランドのもの、一応カラーなんだけれども写真も小さく日程表とか旅行条件などの必要な物が大きな割合を占め実用的な第二ブランドの物、ほとんど一色刷りでパンフレットと言うよりビラに近く、少し予算を使ったもので2色刷りのキャンペーン用とグレードがあります。

     旅行の内容もパンフレットと同じようにグレードが分かれていると思ってください。旅行を楽しむと言うことでは、まあ第2ブランドくらいまでにしておいた方がいいかと思います。
     キャンペーン商品は、パッケージとしては最低限のものしか含んでいませんから追加で現地手配を頼み始めると料金はびっくりするくらい上がってきます。

    ○キャンペーン商品

     キャンペーン商品も多数の人が参加できる物と、特定の目的で短期間現定数だけ販売される物とあります。
     後者の方は、支店オープン記念香港1万9千8百円とかアメリカ3万9千8百円。ただし先着各5名様限りとかいうやつです。この旅行は原価がいくらでと言うのは意味を持ちません。通常のキャンペーン価格からだいたい4万円くらいを引いた料金ですから目的地5カ所で5人ずつ申し込みを受けたとしたら25人×4万=100万円、TV局とか雑誌新聞で紹介されますから広告宣伝費としては元は十分取れます。しかも広告でマスコミで流されるのではなく、記事として流されるのですから効果は数倍です。

     そして当日は当然25人以上の人が集まります。そこで5人の枠に洩れた人は、通常キャンペーンより7千円引きの商品をどうぞとやるわけです。マイナスになった100万円からさらに経費は安くなって行くわけです。2日徹夜して3、4万円安いだけならあまり有利な取引とは思えませんし、あなた自身が知らぬ内に広告塔になっているわけですからどうかとは思いますが。

     通常のキャンペーン物、例えば香港49800円等というのの仕組みを説明しておきます。航空券往復が45000円。ホテル2泊が市内観光付きで2000円で計47000円かろうじて2800円の利益があります。日本側ではこの旅行本体の料金に渡航手続き費とか出入国手続き書類作成料等という名目で3000円から5000円の料金をもらいますから、まあ何とか1割の粗利は確保できます。

     私は手続き書類は全部自分で書くから渡航手続き費は払いませんと言う人がいたとしたら、本当に粗利は2800円だけになってしまいますので、まずこの商品はキャンペーンですので手続き費用とセットでなければ申し込めませんと説明するわけです。よく考えると無茶な説明になっていない説明なんですが、何となく解ってしまう部分もあります。まあ、車を買ったときに自分で車を取りに行ったときでも納車費用として数千円取られるようなものと考えればだいたいあっています。

     香港側ではどうでしょう。ホテル2泊分が観光付きで一人当たり2000円、団体で年間契約だとこんなにホテル代は安くなるものか、個人で行くとなんと高い料金払ってるんだと結論ずけがちですが本当はそうではありません。

     ちょっとした計算をしてみます。通常パッケージの料金表示は2人部屋に2人参加したときの一人当たりの料金になっています。ちょっと分かりにくいでしょうか、具体的に例を挙げますと、田中さんと鈴木さんが2人一緒に申し込んで、同室でも良いとしたときに始めて49800円で参加できます。もし田中さんだけが申し込んで同じ日に同室希望者がいなかったとしたら、部屋の料金はすべて田中さんにかかってきますから、鈴木さんの分のホテル代相当額を田中さんが負担しなければならないわけです。

     とするとさっきの香港のホテルの料金が2泊分で一人当たり2000円と言うことは、一泊一人当たり1000円、一部屋の一泊分の料金は2000円、日本で一泊一部屋2000円のホテルは想像がつきますか。しかも町の中で!
     キャンペーン旅行の使用ホテルは一泊2000円だから安くできるけども、値段の分だけあって南京虫がでるような安宿を使っているのでしょうか。実際に参加してみると解りますが超高級とはいえませんが観光客が泊まる最低限の機能は備えています。じゃあなぜ宿泊費をほとんどただのような料金で計算できるのでしょう。

     それは観光がみそです。こういうキャンペーンのパッケージの観光は、午前中2回、午後3回くらいショッピングに回り、その合間を縫って市内観光へつれて行きます。
     お客さんが買い物をすればその金額の中から何パーセントかの手数料を香港の手配会社がもらいます。例えば5万円の買い物をしたとします、もしコミッションが10%だとしたら、5千円が土産物店から払い戻されるわけです。

     香港のホテル年間にいくらたくさん人を送ったとしても、一泊一部屋2000円では泊まれません。最低でも観光客が泊まれるところは、まあシーズンにもよりますが一部屋一万円はします。キャンペーン企画ではあっても観光費用は先ほど言った方法で浮かすとしても、ホテル代は一日一人当たり5000円。2泊で一万円必要です。
     最初の計算では滞在費2000円でした。これにさっきお客さんが買い物をしたときのコミッション5000円を当てます。残金は3000円。これにはマカオのオプショナルツアーを売るか、夕食の手配で稼ぐかするわけです。

     最初のころは香港側もあまりやり方がスマートではなく、一回一回のツアーでの収支の清算でしたから、かなりガイドさんもシビアーでツアーがマイナスになりそうだとお土産物やの回数を増やしたり、お客さんが入ってるお店のドアに鍵をかけて、外はスりなんかがいて危ないのでこのお店で買い物をしてくださいと説明したり、なかなかトラブルは多かったのです。今は年間のトータルで考えるようになりましたので、ツアーによっては損をするときもありますが、年間で清算して儲かっていれば良いことになっていますから、そうはあからさまな手配にはなっていません。あからさまではありませんが、原価を割って売っているものですから、お土産物屋を一日数件回るのは絶対削れないのです。

     最近ほとんど両方が暗黙の了解みたいなものでトラブルもあまりなく過ぎていたのですがかなりもめたケースがありました。フリーのライターをやってる人が遊び仲間を集めて十数人のグループを作りました。その時申し込んだのが49800円のキャンペーン香港でした。

     ほとんどの人が何回も海外旅行を体験してる人たちで、キャンペーン商品の仕組みもよく知っていました。情報もたくさん持ってる人たちなので、ガイドが連れていくお土産物屋などに買いたいものがあるはずはありません。彼らはこう考えたのです。観光を行かないと言うことにすればまるまる時間があく、その日は自分たちで車を手配していきたいところへ行けばいい。新しく追加で観光を申し込むのじゃなく料金に含まれている観光を断るのだから別によいわけだ。

     親分の横田さん(仮名)、香港の空港でガイドさんに「明日の観光僕たちは参加しませんから、明後日の朝ホテルへ迎えに来てください。」

    ガイド「そんなのダメですよ、せっかく観光がついているんですから参加してください、料金が別にかかる訳じゃありませんから。」

    横田「いや、僕ら、何回も香港に来てますから自分たちで回ります、ですから明日車回さなくても良いですよ。」

    ガイド「それは困ります、このキャンペーンのツアーに参加なさる時には観光には参加してくださいとパンフレットに書いてあったと思いますが。」

    横田「書いてあったような気もしますが、観光に参加しなければこのツアーには参加できませんとはなかったように思います、申し込みの時にそんな念書も書かなかったのに。」

    ガイド「観光に参加しないのは絶対困ります、そこで買う買わないはお客さんの自由ですから、お店には行ったらいくらまでのものを絶対買ってくれと申し上げてるわけではないのです。とにかく、そのお店に行くだけでよいですよ。」

    横田「空港で立ち話もなんだから、じゃみんなにホテルについてから相談して後で電話しますよ。」

    ガイド「これから、このバスで2軒お土産物屋を通ってからホテルへ行きますのでそのあいだに決めてください。」

    横田「空港からホテルへ行く間にもお土産物屋に寄るのかよ、僕ら到着したばかりなので疲れてるから直接ホテルへ行ってよ。」

    ガイド「いやこのバス、最初からそう言う風になってますから、買う買わないは自由ですから。」

    横田「ええー、そう言う問題じゃないだろ、バスいいよ自分たちでタクシー捕まえてホテルに行くから。」

    ガイド「ダメです、第一このバスがホテルに到着しないとホテルにチェックインできません、あなた達以外にも4人お客さんはいるわけですから。」

    横田「今日私たちがホテルに行くのは解っているわけだろう、じゃ自分たちでチェックインするから連絡しておいてよ。」

    ガイド「できません、このバス3時間後にホテルに着きますからその時じゃないとチェックインできません。乗ればいいじゃないですか、絶対買わなければならないと言うこともないですし、お土産物屋では飲み物もでますから少し休めますし。」

    横田「直ぐホテルへ行きたいんだよ。俺達絶対バスには乗らないからな、先にホテルへ行ってるから早く来いよ。」

    結局もめにもめました、1人2人の数ならガイドもあまり強くはでなかったでしょうが十数名のグループ全部がと言うことなら話が違ってきます、原価を割って売っても後で取り返すこと前提のキャンペーン商品、その仕組みを知っていながら参加する人、本人たちがよければどうでもいいとは思いますけどもね。

     初心者であるあなたへの100%参考になる真実のアドバイスを一つ「必要な経費は、パッケージであろうが個人手配であろうがかかるものはかかります。安くていいものは、基本的にあり得ません。安いというのは、グレードを落とすか、必要な部品を何点か抜いて後払いの形にするか、他の人からぼって穴埋めをするか、科学の理論にもありますでしょう。使ったエネルギーに見合った仕事量以上のことは決してできない、むしろこう考えてください−高くて悪い旅行をしないため悪ければ安くさせる努力ならできる。」

     香港とか東南アジアでのキャンペーン商品は、ほとんどが原価以下で売っておいて後で手続き手数料とかお土産物屋さんの手数料でつじつまを合わせるものですが、ハワイとかアメリカのキャンペーン商品は単純にホテルのグレードを削ったり、食事の質を落としたりの安い部品を使ったものですから、過大な期待を持っていかない限りそうトラブルことはありません。ヨーロッパのキャンペーンはこの二つのちょうど中間と言ったところでしょうか。

     キャンペーン商品を利用する際なかなか普通の人は利用できないことが多いです。ここをよく覚えておいてください。何故なら、普通の人が休みを取り難いときが航空券ももっとも安くなるからです。

     予算をたてるとき。キャンペーン料金を基準にして旅行の費用を考えがちですが、ほとんどの人はキャンペーン期間中に旅行できるほどの贅沢は許されていません。旅行費用をパッケージで考えるときは、できましたら第二ブランドの料金を念頭に置いてください。

    ○第一ブランド・第二ブランド

     キャンペーンがあなたをエアカーゴ並の扱いをするものとすれば、第二ブランドで、やっとあなたは人間並みの扱いをしてもらえます。もう一歩進んでお客様扱いをして欲しいなら、これはもう第一ブランドの料金を払うしかありません。

     第一ブランドとは旅行会社の顔ともいえる商品です。かつてはこれらが店頭や広告の一番目立つところにありました。ルック、マッハ、ホリデイなどがそうです。余裕を持ってつくったものですから料金は割高です。航空料金も時期の最初に出される料金の予定をそのまま使ってますから、途中から料金改定があってもそれに対応はしていません、つまり料金は下がってこないわけです(現在では、第一ブランドではあっても大幅な料金の改定があれば料金の調整をしてるみたいですが)。それともともと発売元として第一ブランドを出していますので、販売代理店が売ることが前提になっています。当然10%ぐらいの手数料を代理店に払っても利益がでるような料金設定になっています。結果としてかなり高い、売れない、流行らないということになっていて、今は各旅行会社直販が前提の第2ブランドに力を入れ始めています。

     しかし売れないからと言って第一ブランドを全部取りやめるわけにはまだ行かないみたいです。お金に余裕があって、全く初心者の時には日本の出入国カードから各国の出入国カードも書いてくれるサービスは、書類関係でわからないことだらけで起こる初期トラブルだけでも避けれるのでありがたいのです。

     第一ブランドにもグレードがあり、高い方から言えば添乗員付きが高く、現地係員がお世話をしますというのがそれに当たります。自由行動の中で色々なオプショナルツアーが選べるものは、もう第2ブランドに近いサービスになっています。常に上げ膳据え膳、お客様それはこうです、と常に扱って欲しければもう第一ブランドしかありません。国内旅行もしたことがない人とか、60代以上の田舎にずーと住んでいて他の街も全然知らないなどと言う人もこれはお薦めです。

     一般的に予算がいくらでもかまわないという人は多くはありません。現在のマーケットでそんなに高くはなく、その内容もまあまあ予算相応のものならば由とするなら、これはもう第二ブランドです。第二ブランドでも、上げ膳据え膳に近いものから、キャンペーン商品に近いものまでいろいろありますが、平均的にはお客さんと呼びかけてくれる程度のサービスはあります。自分でやらなければならないこともだんだん多くはなりますが、50歳代までで国内旅行も数回したことがある人なら、十分このグレードの旅行で何とかなっていくと思います。

    ○航空券プラス現地手配

     初心者に限らず、中級者でもよく誤解されるのが、航空券だけを買って現地で行き当たりバッタリの予定なしの旅行は安上がりでなお自由に回れる最高のものだと言う信仰です。

     先ほども説明したように、パッケージでも個人の手配旅行でも、同じようなグレードのホテルと滞在日程ならば、かかる費用は最終的にはほとんど同じになります。自由に旅行するチャンスはありますが、実際にできるかどうかとなると、今自分が持ってる知識と能力が独力で旅行を作っていくだけの段階に来てるかどうかが大きな問題です。能力と知識がない段階では、チャンスをつかみきれないでかえってトラブルに見舞われることが多いのです。

     ですから航空券のみを購入して現地手配を後でという方法は、安く予算があがるから選ぶのではなく、予算と時間はある程度かかってもかまわないから、自分で旅行してみたいとこだわる方が選ぶ方法なのです。ここの所を絶対間違わないでください。このタイプの旅行にぴったりの方は、一.お金があって、二.暇があって、三.世間ずれしていて、四.旅行慣れしている人です。

     初心者が旅行慣れしてるはずありませんから4番目の条件は削るとして、3番目までの条件がすべて整ってる人ならまあおもしろい旅行ができます。
     3番目の条件が心許ない人はどうかといいますと、旅行にたっぷり時間をかけることができますから、まあ現場で旅行中に世間ずれしていただきます。案外世間ずれなしのお人好しの性格の人が幸いして現地でとけ込んじゃうこともあり、一概に悪いとはいえないことなのですが、善意の人たちの間でしか通用しない性格であることは確かですので、オールマイティとはいえません。

     2番目の条件もない人は、細切れにしか時間が使えないわけですから短期のパッケージ旅行で回数を稼ぐしかありません。量をこなせば質も少しずつでもあがってきます。
     最初の条件のお金がない人は、これは困ります。

     暇がある人は、最低限の予算で出かけられるとこへ旅行するしかありません。低予算で、いける所までの切符を買って、現地の滞在もぎりぎり最低限、ほんとにしんどい旅行です。こういう旅行は若いときしかできないし、観光客向けではない本当の現地の庶民の暮らしが体験できると薦めるライターとか作家が多いのですが、これは絶対に間違っています。スキーの中級者コースへいきなり初心者を放り出すようなもので、楽しく滑り降りることなどできやしません。時間をかければ一歩一歩スキーを横に踏みつけて階段を下りるように降りることは可能ですが、それは斜面を降りただけであって楽しく滑ったわけではありません。旅行中も楽しむ暇などありません、帰るまでの時間をとにかくひたすら無事に過ごすだけでやっとの状態が続きます。

     暇がない人、これはどうしようもありません。どこへもいけません。金を稼ぐか、暇を作るかしなければ、現状から一歩も動けません。このあたりの方へは旅行のガイドブックでできるアドバイスはありません。就職情報誌の方が役に立ちます。

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