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入門講座理論編ー(34)
「だが、彼らの旅は、対決であり、埋没であり、放浪であった。彼らの中にはいっさいの観光を拒否する者もおり、カメラを持っていないと言う人も珍しくなかった。」
もう一度「蔵前仁一」氏の文章を引用します。
「観光を拒否」するって!!
これはやってはいけませんし、第一出来ません。
理由は簡単、初心者のあなたが出来る旅行は「観光旅行」しかないからです。もう少しグレードがあがって中級者になったとしても「観光旅行」しか出来ません。
寝ても覚めてもマニアックに「旅」を考え続ける、これなら観光旅行から脱皮すること出来るかもしれません。「トラベルメイト95」という文章の中で、2000万円の法則というのを書きました。旅行に限らず、マニアックに何か進める中で、自分でも人からも認められる段階に進むには、最低2000万円の投資が必要ということですが、本当にそうです。
この金額以下で何とかするには、ほかのマニアックな趣味に2000万円の投資をして、その中で必要に応じて海外旅行するなら、範囲は狭まりますが観光旅行ではない充実した旅行は出来ると思います。
どういうことかというと、例えばアウトドアライフまたはグッズが好きで好きでたまらない場合、日本で4WDの車買って、キャンプして、シーカヤック手に入れて、クロスカントリースキーも冬のシーズンに楽しんで、そうなるとやはり本場アメリカのアウトドア生活が気になるではないですか。
手軽に楽しむなら、アメリカ西海岸、海のものならロサンゼルス、山のものならシアトル、カナダ、バンクーバーなどもアウトドア生活には最適な土地です。オフシーズンなら5万円台うまくいくと3万円台で航空券が往復買えます。それに滞在費とか加えても一週間で合計10万前後でお釣りくるくらいの旅行できます。これなら無理に、シアトル市内観光とかバンクーバーで「OKギフトショップ」によらなくても良いわけです。逆に目的しっかりしていればそんな事してる暇ありません。
アウトドアのマニアになるにはトータル2000万円かかるけど、海外旅行に関しては10万円もあれば十分マニアックなことが一回は出来るわけです。
この部分だけ取り出して、水面下の日本でのアウトドア関係の出費を無視すると「10万円でも楽しめるアメリカアウトドア生活」ってな特集がグラビアページで出来てしまうのです。それ見た日本では全然アウトドア派でないあなたが同じ事やったとしても、面白いはずがありません。
今までキャンプは高校の課外活動で一回しかしたことない人がREI(シアトルにあるアウトドアグッズの生協)の売り場でわくわくしますか?何とか用品買い集めても、オートキャンプ友人に連れられて一回しかしたことない人が自分でキャンプ場へ行って楽しめるとはとても思えません。
普通の旅行にもこれは言えます。2000万円つぎ込んでない人が何の用意も目的もなしに、観光旅行以外の旅行が出来ると思いますか?
旅行は見聞を広める良いチャンスだとか、日本文化とか外国の文化の生な息づかいを体験するだとかの「あなたの成長を助ける役に立つ海外旅行」を提唱する人達は、ほとんどの人が自分の費用ではなく公費で出張したり、留学したりした人が多いのに気づきませんか?
公費での留学出張は「まず、やるべき事が真っ先にある」のが非常に精神衛生上良いのです。しかも、学問とか仕事は現地の人と嫌でもつきあわなければならないのですから一石二鳥です。それにその費用はあなたが出費することはありません、それ以上にその海外旅行でその月の「給料」と「将来の保証」ももらえるのですから、あなたのする海外旅行とは雲泥の差です。
あなたのする海外旅行は、上司同僚がいやがるのを無理に休暇を取ったものであれば「将来のアップグレード」を少々あきらめることであり、学生時代にでる短期なものであればお金使うだけで終わるものですし、長期なものなら通常のコースを外れる可能性のあるかなり危ない行為なのです。
自費で何とかしてる人達も、あなたと違ってマニアックにイタリアが好きとかイギリスのガーデニングが好きな訳ですからどだい勝負してるレベルが違ってくるのです。
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