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入門講座理論編ー(20)
「深夜特急」を読んで旅行にあこがれたり同じような旅行をしたいと思うことは、「マトリックス」とか、「プロジェクトA」をみて「キアヌリーブス」や「ジャッキーチェン」と同じように壁面走ったり、走ってくる車を正面から飛び越えたりしようとするのと同じ事です。
実際に見る映画の画面では軽々と彼らはアクションをこなし、またそれが面白いわけですが、「深夜特急」読んでそれが面白いからと言って同じ事をやろうと思ったり、同じような事をやろうと思うのは非常に間違っています。
アクション映画は極端なメディアの発表形式ですが、ドキュメンタリータッチの紀行文だって基本は一緒です。売るためには、それなりのプロのアレンジがされるわけです。同じ事は、一般人であるあなたにはとうていできないことだらけです。
そのあたりを曖昧にしたまま、壁走ったり、車の正面からジャンプしたりしたら結果は分かりきったこと。鈍い音とともにあなたの意識は宇宙空間にぶっ飛ばされます。(現実には人間の体何かに激突すると、かなりでかい音でます、大人だと50kgから60kgは普通ありますから。)
映画ならプロの仕事がはっきりわかる形で現れます。ワイアーワーク、とかCG、天才的な運動能力発揮するための日々のトレーニング。プロの仕事のおもしろさ知らせるための「メイキングビデオ」さえ作られることあります。
文学作品はプロの仕事が良ければ良いだけ、作家つるしてるワイアーとか日々のトレーニングのつらさ過酷さ、日常のだるさが読者の目に触れなくなり、うまく発酵したワインのように口当たりの良い飲み物に変化します。
同じようなワインをあなたが作ろうとしても、あなたには新潮社の編集の人間がサポートしてくれるわけではありません。前借りもさせてはくれません。
最近特に、「沢木OS」風な考えで旅行にでる人増えています。特に、20才前後と60才以降の退職者に多いように思います。この年齢の人たちには「深夜特急OS」は劇薬に変化します。20代中盤から50代後半までは、案外さめた目をお持ちの方多いようで体力も気力も経験も充実してる頃ですから、タバスコの様な、ぴりっとした香辛料としての使い方をされてることが多いです。
「深夜特急」の題名の元となった「ミッドナイトエクスプレス」こちらの本はもし個人旅行が好きな人なら、必須な本としておすすめします。たぶんもう古本屋にもないとは思いますが。
「沢木OS」の本と違い7号モデルの中近東漫遊記ではありません。著者「ビリーヘイズ」自身の体張った体験記です。本がどうしても手に入らない人は近所の図書館に聞いてみてください。東京都の図書館は貸し出しはできないけど、館内閲覧ならと去年は言ってました。
本がだめなら、「ミッドナイトエクスプレス」の映画のビデオ借りることおすすめします。名作中の名作です!!!!!
泣きます、はっきり言って。ラストシーンの手に汗握るロングショット。
(実際の話は映画とは違ってますが、そんなのどうでも良いくらいすばらしいです。)
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