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入門講座理論編ー(18)
後で職業とか、年齢性別によって旅行の方法も変わるし、当然「それ用のOS」も違うのが必要な事は説明します。ここでは、最近利用されている「沢木OS」を代表とする「一人旅、現地ふれあい、自分探しの、癒しの旅OS」が何故現実的な実用度がないかもう少し掘り下げます。 ただし「沢木耕太郎」が「一人旅、現地ふれあい、自分探しの、癒しの旅」のすすめを書いたり、推薦してるわけではないことをまず理解しておいてください。「12万円で世界一周できるとか」「私のような非力なものでも十分楽しい旅行ができるからあなたも」と呼びかけているわけではありませんから。
モデルで言えば7号のパワーで、こんな旅行したぜと紀行文を発表してるのですから、それを純粋な読み物として読まずに、一種のガイドブック的な使い方する読者の方が間違っているのかもしれません。
しかし売り方と売る時期のタイミングを見ればそうも行っておれません。海外旅行が大衆化していく最初のジャンプの頃を見計らって売ると言うことは、実用書として読む奴がでてくることは十分推測できます。しかも発行から10年経ってますますバイブル的な読み方がされるようになってきてます。
一般的に(マニアックでないという意味での)一番浸透力の強いTV番組、バラエティ「進め電波少年」の「海外貧乏旅行シリーズ」は、「深夜特急」の影響を多大に受けてスタートしました。
「猿岩石」の「ユーラシア大陸ヒッチの旅」がそうですが、「沢木耕太郎」の本とはかけ離れた解釈で、おもしろ半分なバラエティだから彼の本を批判するのは間違っている、勝手に曲解したのは「電波少年」の方で、彼が表現したものは何ら関係ないとという意見が出そうです。
確かに、勝手にアイデアを作って、勝手に曲解したのは,Tプロデューサーであって、「深夜特急」に何らの意図も責任もありません。ただそれが時が経つにつれ影響を持ち始め、別の方向に動き始めたときには、やはり彼自身きちんと意見を表明すべきだったと思います。
あるいは、何らかの意思表示はあったかもしれませんが、その場合でもそうは大きな声ではなかったように思います。だいたいの一般メディアの雑誌新聞TV番組目通してますが、記憶にありません。
「電波少年」の「海外貧乏旅行」へのイメージまたは理解の仕方は典型的なメディアのステレオタイプのものでした。一見最先端の流行を表現してるかのような先駆性を装って、実際は超安全パイ、ほとんど過半数の人が今は支持する意見で、その意見を受け容れる人たちは自分たちは今まだ少数派だと思っている微妙な部分をうまくアレンジしていました。
案外そういう幻想部分で「深夜特急」は真価を発揮してたのかもしれません。本来の彼の意図とは違うとは思いますが、こちらの方の意味が最近では重くなってきているように思います。
インターネットで「沢木耕太郎」あるいは「深夜特急」を検索するとかなりの数がヒットします。ほとんどが、こんな旅してみたい。(最近は、実際は無理でしょうけどもと但し書き付きがふえています)
何故実際には無理なのでしょう。ここいらもっと深くディープに行きます。
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