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入門講座理論編ー(5)
かように、「自由、個人、貧乏、観光ではない、ふれあいの一人旅」は旅行者の頭をむしばんでいます。それをより強固なものにしてしまう役目なのが、それらを勧めるか礼賛する作家、ライターの人たちです。今まであげた4人以外にもたくさんいるのかもしれませんが、だいたい主張は似たようなものなのでまあこの4人をあげておきます。(もっとひねくれたレポートとしては辺見庸の「もの喰う人々」があります。)
本当に「THE BODY SHOP」のパンフレットに書いてあるように、皆さんほとんどの方が7号サイズの方たちではありません。片や、メディアで名前のでている人たちは、その考え方とか精神的構造は7号サイズです。7号サイズでなければ7号サイズに仕立て上げられます。そうでなければ発表の場は、カルトなマニアックなところしかありません。
例えば昔の「宝島」(今はもうメジャーで一般紙ですが)とか、マニアのための旅行機関誌「オデッセイ」とか、名前のない新聞とか(これは今も不定期にアパッチさんが出してるようです)その他成人向けエロ漫画雑誌。
もちろんこれらが一段下だとか、価値がないといってるわけでなく一般の人の目が届くところでは発表できないという事実があるのです。
7号サイズでない人たちに7号サイズに似合う服とかアクセサリー化粧品の宣伝を繰り返す。現実のことはよほどマニアックなものまで読み込んでる人にしか伝わらない。
これに踊らされて、7号サイズに似合う商品買った人のとまどい。旅行の商品も一緒です。
皮肉なことに、7号サイズの人を捜してきたり、作り上げたり、発表する人たちは、そうでない部分のこともよく勉強して知っています。有能であればあるだけ、7号以外の世界をよく知っています。そうでなければ、売れる7号サイズのおとぎ話を作れないからです。どこをぶったぎったり、どの稀少元素を透析して除けば7号になるのかを体で覚えてなければ7号なものを作り出せないからです。
ネット上では7号サイズではない話も誰に断ることもなく発表できますし、発表されています。これによって劇的に今までのようなシステムは変わっていくように思います。ただ、見る方の人もそれなりの努力しないと規格品以外の話は、癖ありますので身に付くにはちょっと大変ですが。
一見メジャーな団体旅行に比べ、ふれあいの個人旅行を説く4人の人たちがなぜ7号な人たちなのか、個人自由旅行の方が少数派のマニアックな真実に近い、「自分探しの旅」にも通じるユニークなものではないかと思われる方は少なくないと思います。その辺を、メディアの中の個人旅行の歴史を掘り起こしながら説明します。海外旅行史の中でもちょっと取り上げてますから、重複はしますけども。
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