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入門講座理論編ー(2)
さらに「THE BODY SHOP」のパンフから引用します。
どんな女性誌でも良いから開いて、ページをめくっていくと、とっても奇妙なことに気づきます。モデルのサイズがみんな7号なのです。なぜでしょう?バスに乗ったり、通りを歩いたりしていて目にする女性はみんなが7号というわけではありません。さまざまなサイズ、さまざまな体型です。それなら、モデルは現実の人間に近いなんては考えてはいけないということ?
あのやせすぎの女の子たちは実は私たちの不安をかきたて、みじめな気持ちにするためにいるのでしょうか?雑誌はそういう女性だけを登場させることで、ありもしない世界を作り出そうとしているという説があります。
私たちがうらやましがるような世界を。あこがれの世界を。
「彼女みたいだったら、なんでもうまくいくだろうな」
「あんなにスリムだったら、幸せになれるだろうな」
「この人、見てよ。セルライトはないし、何の心配事もないでしょうね。」
こういうせりふを何度耳にしたり、口にしたことか。
−−−−後略−−−−−−−
これを旅行関連の事に置き換えてみましょう。
どんな雑誌、新聞、(TV番組も)でもいから、海外旅行関連のページをめくっていくと、とっても奇妙なことに気づきます。理想とされる旅行者の姿も、理想とされる旅行も一つのステレオタイプに集約されるのです。
いわく「観光客ではなく旅行者として、現地の人とのふれあいの旅」
いわく「団体ではない一人旅、パッケージ旅行ではない自由旅行」
いわく「ブランドの買い物旅行ではない、節約の貧乏旅行」
海外旅行に出かける人たちすべてがこういう旅行ができるとは限りません。さまざまな期間さまざまな目的いろんな地域に、許された費用の範囲以内で出かけていくわけです。
あのステレオタイプの旅行者たちは実は私たちの不安をかき立て、今日も現地の人と知り合えなかった私の旅行はまだまだ未熟だ明日こそは、と強迫観念を植え付けるためにいるのでしょうか。雑誌、新聞はそういう旅行者だけを登場させることで、ありもしない世界を作り出そうとしているという説があります。
私たちがうらやましがる様な世界を、あこがれの世界を。
「12万円で世界を歩ける下川裕治の様だったら。」
「沢木耕太郎のような旅行できたら幸せだな。」
「蔵前仁一を見てよ、英語が堪能でもなく、体が強いわけでもない、強い意志を 持っているわけでもないのに、現地で沈没しながら旅行している。」
こういうせりふを何度耳にし口にしたことか。
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