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病の細道

 

第70回 免疫力 (2002/04/18)

 

昨日、朝食を終え歩行練習で病棟を歩いていると看護婦さんのひとりが「あと1週間で退院でしょう?」と聞いてきた。当初の入院予定は1ヶ月といわれていたから5月始めと思っていたので思わず「え?」と聞き返してしまった。

一体どういうことなのだろうか、といぶかっていると、しばらくして医師がやってきて、術後経過がいいから上の階の病棟に移ってほしい、といわれた。上の病棟は小児科と内科の混合病棟で、どちらかといえば小児科に重点がおかれている。今の病棟は内科の循環器を重点にしており、あらたな重篤な患者さんが入院するからベッドをあける必要があるとのことだった。あわてて荷物をまとめ移動した。

心臓バイパス手術にあたって最も恐れていたのが感染症だ。手術では体内の組織が簡単に雑菌に触れるので感染しやすく、とりわけ免疫力が低下している糖尿患者の場合は傷が治りにくく化膿しやすい。感染症が悪化すると、膿を抽出するために再手術が必要になったり、肺炎を起こしたり、最悪の場合は重度の敗血症で死亡する。

感染症は術後1週間から10日ころに発現することが多く、熱がでて体がむくんでくるといわれている。ちょとした感染ならは抗生剤で簡単に殺菌され感染症までは至らない。

幸い今の自分にはそうした兆候はない。週末には危険期間を抜ける。現在は毎日抗生剤の投与が続けているが、いったん投与を中止してみて変化がなければもう大丈夫ということになる。昨日の医師や看護婦の言動からすると、いよいよ最後の難関も無事通過できそうな気配がしてきた。

2月に心臓バイパス手術をうけることを決めてから、感染症を防止するために、入院延長までして血糖コントロールに努めてきた。風邪を徹底的になおし、うがいやシャワーを繰り返した。

また、これば医師の意見や指示ではないが、ビタミンCとノールウエイ・ベータグルカンのサプリメント摂取も続けてきた。ビタミンCの多量投与の効果については、学生時代、その免疫的効用を説いたライナス・ポーリング博士(ノーベル化学賞、平和賞受賞)の教科書で量子力学を勉強していた影響で、以前から信仰のような関心を抱いてきた。当時は多量投与など論外で少量の入手すら困難だったが、最近ではグラム単位の商品もスーパーで買えるようになってきた。今回の大事に際しては標準摂取量の10倍以上の1日4グラムを摂取した。

またノールウエイ・ベータグルカンは、最近、免疫力を向上させると話題のアガリスク茸などのベータグルカンを特殊製法で数百倍の高濃度に凝縮したカプセルだ。この存在は2年程前にインター
ネットで知った。試しに摂取してみると、体力の改善や歯茎の状態がよくなり免疫力が高まることが確認できた。今回もこうした経験から標準1日1カプセルを二倍にして試してみた。

確かに免疫力の増強の第一は血糖値のコントロールにあることは間違いないが、今回の自分の場合、これらのサプリメントも効果的だったのではないかと思っている。もっとも、薬品の効果はサプリメントも含めて個人差があるので一般化して喧伝するつもりはないが、他の人の参考にはなるかもしれない。

まだ感染症という危険は完全になくなったわけではないが、これまできた病の道は、長く続いた断崖絶壁の細道から人里のはずれの少し太い道に出てきたようだ。

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