「古文書館」
海外旅行昔々物語 〜海外旅行研究会の足跡〜

世界が揺れ動いた
1967年・昭和42年

中国で文化大革命、ベトナム戦争のエスカレート、中東紛争の再燃と、世界は大きく揺れ動いた。国内では昭和元禄という言葉で象徴される消費景気が高まっていた。一方で山陽電鉄爆破などの爆弾事件が頻々として起こり、フーテン族、ヒッピー族が注目された。日本の人口が1億人を突破したのもこの年だ。

国民の生活はゆとりの増大で、海外旅行者は本年も伸びた。国連では本年を「国際観光年」と定め、<観光は平和へのパスポート>をスローガンに世界各国で多彩な行事が展開された。5月1日からパンアメリカン航空が東京・グアム間に週2便の定期便の運航を開始、グアムブームに火をつけた。

海外旅行研究会の活動が、ようやく軌道に乗った。これまでの単なる海外旅行の土産話の発表機関から脱皮して、名実ともに研究組織としてスタートを切った。すなわち世界を10地域に分け、それぞれの地域を担当した会員が各自の体験やデータを公開するという[現地事情を聞く]シリーズが、本年の例会活動の柱になった。会場は前年に引き続いて中之島の中央公会堂会議室を使用したが、経費や予約の関係から問題が生じてきた。そこで東区安土町(現・中央区)の市立勤労青少年ホームにグループ登録を行ない、5月以降はここで例会活動を続けた。また9、12月には会場を他に移して、野外例会や臨時例会も開いた。一方念願の機関誌発行が有地君の努力によって実現。2月に創刊号を発行し、3日には誌名をWORLDと決定した。

本年度も入会費100円、例会費50円でまかなった。本年の登録会員は67名、例会参加者は延べ242名。

大阪ユース・ホステル協会の設立20周年記念事業であるヨーロッパホステリング[アルテナへの道]が実施された。本会からは有藤、谷、辻井の3君が参加した。

*幹事制の実施

本会の活動や運営を推進するため、本年から幹事制を実施。随時幹事会を開いた。幹事諸君は次の通り。

代 表
辻井 重
企 画
京森 均
企 画
富田和巳
総 務
出間久美子
指谷 昇
編 集
有地太一郎
企 画
笠原春彦
竹田安雄
佐伯経史
河村 弘
谷 忠明

*月例会などの活動

◆1月26日
シリーズ第1回「総論」、参加者30名。

◆2月15日
機関誌創刊号発行

◆2月23日
シリーズ第2回「中欧諸国」、参加者30名。

◆3月15日
幹事会開催

25日
機関誌第2号発行

28日
シリーズ第3回「北欧諸国」、参加者33名。
機関誌名をWORLDと決定

◆4月15日
WORLD第6号発行

24日
シリーズ第4回「ドイツ」、参加者20名。

◆5月10日
WORLD第7号発行

23日
シリーズ第5回「ベネルックス」、参加者22名。

◆6月10日
WORLD第9号発行

14日
シリーズ第5回「グレートブリテン」、参加者22名。

◆7月10日
WORLD第10号発行

14日
ヨーロッパホステリング[アルテナへの道]の一行横浜出発

21日
シリーズ第7回「 フランス・スペイン・ポルトガル」、参加者22名。

◆8月10日
WORLD第10号発行

22日
シリーズ第8回「スイス・オーストリア・イタリア・ギリシャ」、参加者13名。

31日
[アルテナへの道]の一行帰国

◆9月7日
「本年度渡航者を送る会」(なんば若松にて)、参加者12名。

10日
WORLD第11号発行

26日
シリーズ第9回[アルテナへの道]報告会、参加者数不明

◆10月15日
WORLD第12号発行。

29日
シリーズ第9回「北米」(兵庫県猪名川山荘ユース・ホステルにて)、参加者16名。

◆11月9日
幹事会開催

15日
WORLD第13号発行

28日
シリーズ第11回「アジア」、参加者20名。

◆12月5日
WORLD第14号発行

17日
シリーズ第12回「結論」(吹田青少年の家にて)、参加者11名。

*本年の海外渡航会員

有藤寿秀
ヨーロッパ
谷 忠明
ヨーロッパ
滝 吉治
西岡忠靖
森 ゆり
川上 孝

 

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