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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.224

 

インド・カルカッタ (14)

 

私の前には10人ほど待っていましたが、首の牽引と包帯のまき直し、ギブスの調整などで数人が奥の部屋に入っていきました。後3人で私の番です。ラングーンの病院により全てが薄汚れていました。建物の古さとか器具の古さは同じくらいですが、包帯も使い回し、脱脂綿も使い回しです。私の6日前からそのままの包帯が、今、目の前の診療室の包帯より新しく質が良さそうです。

医者は、くたびれた白衣着た兄ちゃんでした。(と言っても30後半くらいでしたでしょうか?)比べてはいけないでしょうが、ビルマでは色っぽい女医さんここの病院はなんだか楽しくありません。

今腰掛けているベッドの上に敷いてあるシーツも湿っています。ゲッ、よく見ると大きなシミがあります。指で触ってみると、濡れている。匂い嗅いでみようと思ったのですがやめておきました。異臭でもしたら立ち直れません。変わりにそっとGパンで指先を拭きました。

医者に診せるとするとこのシーツの上に足を載せ包帯を取って傷口診せることになるでしょう。包帯は目の前にあるインド製の古いのに変わり、消毒の液を塗るのに使う脱脂綿も私の前の患者に使った分でしょう。

ここにいる患者を見ると、服装は私が一番ましなものを着ているようです。大阪のスーパーで買ったよれよれになったGパン、にシャツ4日前から代えてない服です。少しまともなのは、ビーチサンダルでは左のくるぶし守れないので黒のキャラバンシューズを履いてました。これくらいしかありません。このくそ暑いカルカッタでは、靴下はいて靴はいてるだけで服装が締まって見えます。
 無料で診察してくれるとはいえ、かなり厳しいものがありました。これはトンずらした方が良さそうです。

「アイ、ワント、ウオッシング、ハンド。」
「ワット?」

看護婦さん怪訝な顔をしました。
そうか手を洗いに行きたいと言っても通じないんだ。

「トイレット、トイレット、ラバトリー、」

どちらの単語が通じたかわかりませんが、なに言ってるかわかったようです。

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