ビルマ（ミャンマー） (22)
ガンガンガンガン、ガンガンガンガン 誰かがドアをノックしています。
ええーと、ここはどこだ。ベッドがゆらゆら揺れているようです。船の中か。香港行きの船の中か。 体が動きません。やっと目を開けると部屋の中は真っ暗でした。
「田森さん、田森さん、起きてるか」
池野さんでした。時計見ると７時過ぎています。 風邪薬が効いて寝込んでしまったようです。
「は、今開けます、ちょっと動けないんで、ちょっと待ってください」
シャツは汗でぐちょぐちょです。熱は下がったようです。やはり風邪だったのでしょうか。 高田さんもいました。
「ほれこれビルマ航空の切符、あさって１５日の朝の便。」
「イヤー、熱でましてね、薬飲んで寝てたんです。ちょっとは歩けるようになりました。」
「そう、１５日一緒に行けそうか？」
「行けると思います。だいぶ良くなりましたし。」
ここに一人で置いておかれても困ります。残ればほぼ１００％の確率でインドへは行けません。足引きずりながら、３０ｍずつ歩いては休み、また３０ｍ。そんな状態で悪名高いカルカッタの町を歩けません。彼らにひっついていけばまだ何とかなるでしょう。迷惑をかけるようにはなりますが。
「そうか、じゃ俺らジュウドーハウスに行くから。」
まだ迷ってました。一緒に連れて行ってくれとは言いましたが最悪に近い状況です。たまたま旅のベテランと一緒というのが救いではありますが。明日の足の状態見てからになるとは思いますが、飛行機の切符は香港まであります。バンコックで数日休めば足はかなり回復します。ラングーンよりバンコックの方が知り合いもいるし何かと便利です。
連休前に日本へ帰ることも可能です。インドは次回に回して無理することもないか、問題は次回が何時来るかということだけども。大学卒業して海外に出られる職業に就けばいいわけか。考えても結論出ません。
食欲が少しですが出てきました。レストランにはとても一人では行けそうもありません。ルームサービスで、エッグヌードルスープ頼みました。半分くらいしか食べられません。数時間前まで３８度前後の熱が出ていたのですから半分でも十分でしょう。薬はまた通常の二倍、６錠。今度は直ぐ効き始めました。
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