ビルマ(ミャンマー) (18)
「注文の多い奴やな、言っては見るけどな」 で、池野さん、
「ヒー、アフレイド、なんとかかんとか」
としゃべってくれました。そうかこんな時は、アフレイド、使うのか、少しまた勉強になりました。
「XXXXX、not need,YYYYY」
早口ですからまた聞き取れません。必要ないの部分だけ聞き取れました。
「駄目なんですか。」
先回りして聞き返しました。
「何だわかってんのかよ、じゃ直接質問すれば」
「いや、聞く方はちょっとずつは大丈夫ですが、しゃべる方が駄目なんです。」
「あそ、まあいいけどな、要は、このくらいなら麻酔かけない方が直り早いってさ、そんなに痛くないし、。」
ドクター釣り針の少し大きめのような針と糸で、縫うのを開始しました。チクッとくるぶしの内側がして、ズズズと糸が入っていきます。思ったほどには案外痛くありません。けれども、ズズズの感覚気持ちが悪いです。それが数回続きました。縫ってるのを見る勇気はありません。顔は天井を見上げたままです。
高田さんが帰ってきました。
「どうかね、おっ縫ったみたいだな。かなり深く.....。」
「サンキュウ−、サンキュウベリーマッチ」
ドクターが女医さんだと気付いて急に会話が私向けではなく女医さんへの挨拶に切り替わりました。高田さん心なしか顔が上気しています。
「イヤー、ここいいですよ、ドクター、チャーミングだし、看護婦さん達も赤い腰巻きだし。」
「スティル、ペインフル?」
ドクターが聞きました。
「ノーノー、OK,OK、アイアム、ハッピー。」
思いがけずハッピーと言う言葉が出てきました。
「アーユー、ハッピー?ノット、キディング、ビカム、シリアス」
「えっ、ドクターなんて言ったの。」
池野さん答えてくれました。
「冗談言ってる場合じゃない、もっと真面目になれってさ。」
冗談じゃない私は本当にハッピーでした。 さらに幸運なことに、公立病院だったので医療費はただでした。
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