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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.188

 

ビルマ(ミャンマー) (04)

 

味は、まずくはなかったのですが、辛さは特上でした。食欲のなさと、暑さと、飲み物がないためゆっくりとしか口に入りません。半分ほど食べ終わったときです、通路はさんで反対側に座っていた中年の夫婦の奥さんの方が、バックの中から布に包んだフォークとスプーンを取り出して手招きしました。

英語は喋れないらしく無言でジェスチャーのみ繰り返しています。どうやらこれを使えと言ってくれているようです。合掌してありがたく使わせてもらいました。他に気の利いた事が思い浮かばなかったのです。ビルマ語で「有り難う」をどう言うかわかりませんし、英語のサンキューもなんだかいいづらかったし。  

ザリガニは、エビに似た形通りの味でした。味はエビだったのです、体からはカレー汁のせいで汗が出てきました。胃も辛さに目が覚めたようで、消化作業を始めたようです。  

天井も熱くなって来ました。「暑い」なんてものではありません。「熱い」のです。天井からは輻射熱が降ってきます。電子レンジで上から頭が温められている雰囲気になってきました。  

体も汗が流れる暇もなく、外から吹き込む熱風と、天井からの輻射熱で、皮膚が塩と土埃のコーティングでざらざらしています。  

熱さは、3時頃がピークでした。4時を過ぎると天井からの熱が弱まり、5時過ぎには風が柔らかくなってきました。列車の窓の外は、茶色のしおれた形だけの植物が、だんだん緑の元気な灌木に代わり、人が住んでいる集落が増え始めました。6時過ぎに列車はマンダレーの駅に到着しました。

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