タイ・バンコク (3)
夕方はタイソングリートのレストランで中村たちと食事しました。彼ら、私がシンガポールへ行っている間、バンコックとパタヤでボケーとしていたようです。このままシンガポールへ行ってもいいし、日本帰国は後10日間ほどだからどうしようか迷っていました。
ここバンコックは、品行方正なマレーシアとかシンガポールと違ってなにやらわくわくしてくる雰囲気です。この安宿も何かしら浮かれやすい匂いの強いところでした。泊まっている旅行者もちょうど程良いバランス保った状態の連中が多く、迫力あるジャンキーっぽいのもいない代わり、マレーシアホテル近辺のようにスノッブぽいのもいませんでした。
祭りの夜店の近くでかき氷頬張りながら、通行人を眺めているそんな感じでした。さしずめそのときのたこ焼きは、ここではあの太鼓腹に食いつきそうな顔の親父が作る焼きめしでした。
2階から腰巻きが妙に似合う短髪の日本人らしい人と、歯並びが強烈に悪いどこから見ても田舎の日本人が降りてきました。中村たちは顔見知りのようで会釈しながら声をかけました。
中村 「あっ、坂田さんどうも、ここ座りますか。」
坂田と呼ばれた腰巻きの男、隣のテーブルに座りました。歯並びの悪い方は、膝のすり切れそうなGパンを履いてます。
坂田 「あんたバンコック今日着いたの。」
突然話が私の方へ回ってきます。
私 「はあ、まあ、シンガポールへ行っとったんです。」
坂田 「私らもそっちから来たんだわ。インドネシアのバリ島と言う所にいて、島づたいに船で移動して、マレー半島はヒッチでこちらへあがって来ました。」
むっ、できる。腰巻きの着こなし具合、ぼさぼさの長髪が多い中、職人刈りの短髪でそれがまたよく似合ってました。やっぱ只もんではないようです。 。
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