vol.131 マレー半島南下 (16)
「ハハハ、ストリートガール、ユー、ニード、ストリートガール?」
笑うなよ、おやじ、今は私にとって切実な問題なんだから。
「イェス、イェス、アイ、アム、ロンリー。」
腰引けてきました。
「ユーノー、ペナン、イズ、ア、ポートタウン、ソー、メニー、クルー、カミング、フローム、メニーカン トリー」
「イッツ、ミーン、メニー、VD、カミング、」
「アンド、ソウ、オールモスト、ガール、ハブ、VD」
わかるわかる 、日本出たてなら何もわからないところが 、今はよくわかります。VDだって今ならちゃんとわかってるし。
「ラバー、アイハブ、ラバー」
日本から持参した薄々のがまだありました。淡路の薬局の前を何回もうろうろしながらやっとの思いで買った、分がまだあります。
「ラバー!オウッチ!」
あきれたように両手広げ、おやじ天を仰ぎました。
「イーブン、ユー、ハブ、ラバー、アイ、ドゥー、ノット、レコメンド、ストリートガール」
チェ、何だ、雲行きおかしくなってきました。 そうーか、俺がストリートガールといったから「立ちんぼう」の事いってるんだ、そうじゃなくて、バンコックのマーサージパーラーのような女の子がたくさんいて、ガラス越しに選べるような所紹介して欲しいのです。そういうところなら、病気も安心でしょう。
「ノー、ノー、ノット、オンリー、ストリートガール、バット、イン、ハウス、ハハハウス、ストリートガール、アー、アー、ライク、マッサージパーラー、イン、バンコック」
思いつくままに単語並べました。
「マッサージパーラー?」
純粋なマッサージだけの所紹介されても困るわけで。
「ノー、ノー、ノット、オンリーマッサージ、ストリートガール、イン、ハウス」
「ストリートガール、イン、ハウス?」
「オー、ユー、ミーン、プロスティテュート」
なにやら聴いたことのない単語です。 私思わず聞き返しました。
「プロ、プロス...。プロ、ホワット?」
「プロスティテュート、」
ありがとう、おじさん、またボキャブラリーが増えました。
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