vol.034 香港 (7)
私「ドウ、ユー、スピーク、ジャパニーズ?」
係り員「ノー、チョトマッテネ」
オウ日本語じゃん、そうは思ったのですがそれ以上は話せないようです。 係り員、日本人スタッフ探しにどこかに行ってしまいました。私は出国する人の列の横で10分ほど突っ立っていました。
さっき出発ゲートを聞いた日本航空の女の人が、係員に連れられてこっちに来ました。
日本航空係員「どうなさいましたか?」
地獄に仏とはこのことです。日本語が通じる。
私「個人旅行でバンコックに行くのですけど、なんかここ通れないみたいで、どこから飛行機に乗ればいいでしょう。」
日本航空係員「ボーディングパスお持ちですか?」
私「へっ!」
日本航空係員「搭乗券です。搭乗券!」
私「切符はこれです。個人です」
「学生さん?」
出国の列に並んでいる、ビジネスマンらしい中年男性が話しに割り込んできました。
私「はあー」
男性「あのさー、向こうにカウンター見えるよね、あそこでそのリュック預けて、切符を搭乗券に代えてもらってここの列に並ぶんだよ。」
私「団体じゃなく個人なんですけど。」
男性「どちらでも、あのカウンターに行くの、このオネーサンに連れていってもらいな。」
私の顔が赤くなっているのが解ります。「田舎もん」、周りの人がそう言ってるように見えました。
日本航空係員「急いでください、もう出発まで一時間ちょっとしかありません。」
100メートルほど小走りに走りました。
さっきまでたくさん人がいたカウンターも私含めてお客が数人しかいません。
私「これ、この荷物同じ飛行機でバンコックへ行きますよね。別便で到着するこ とはないですよね。」
日本航空係員「大丈夫です!同じ便です!」
こ、怖い!眉がだんだん逆立ってきてます。
私「あのー。」
日本航空係員「急いでください、リュックの中にパスポートとかお金貴重品、入ってませんよね。」
私「あ、カメラとかお金入れてます。」
日本航空係り員「じゃあすぐ出してください、それは機内に持ち込んでください」
リュックからカメラとか、腹巻きに入ったお金を引っぱり出すときの時間、すごく長く感じました。
私「あのー」
日本航空係員「まだ何か!」
私「いや、すんませんでした」
本当は、ありがとうございましたと言いたかったのですが、この場のシチュエーションでは「すんません」と言っておく方が無難でした。
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