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【 片山くんが行く(61) 】
大げさに言えばデンマーク流の意地と、日本の意地の張り合いでした。私は「ごめんなさい」と言うつもりなど有りませんし、彼女も東洋から来た生意気なアルバイトに今度こそきっちり文句を言うつもりでした。
私「何、言ってんだよ。ちょっと霧が部屋に入ったくらいでぎゃあぎゃあわめくんじゃねーよ。わざとじゃねーんだからよー!」
「グルッ、グルッ、グルッ」
私「うるせーな。シャタップ!」
突然、彼女訛のある英語でしゃべりだしました。「ユウー、セイ、シャタップ。ユー、スピークイングリッシュ!」
私「わかんねーよ。英語なんかそんなにしゃべれねーんだよ。」本当は、少ししゃべれるようになってきてはいたのですが。
彼女は指で私を2,3回指しながら、一言言いました。「ユー!」おまえは.....。と言う感じでしょうか、そのままUターンすると調理場を出てってしまいました。
周りのアルバイトとか季節労働者の連中、仕事の手を止めてこちらを見ています。私は、肩すくめて、またノズルのレバーを入れました。「仕事、仕事、」そう独り言を言って、私は機械の水洗いを始めました。
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