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【 片山くんが行く(34) 】
私「おい、俺やっぱり、おみやげのライターないわ」
河本「俺も扇子とかハンカチない」
お互い顔を見合わせました。こういうときは「大した物ではないので無視我慢する」も一つの選択肢ではありました。 ただ今後、ここには安心して滞在できないことを承諾したことになります。多分、ではなく確実に今何もしなければ、次もあるでしょう。次は私たちの荷物には、おみやげはありません。盗るとしたら金かパスポートかいずれにせよ、Gパンとか、Tシャツでないことは確かです。
ここを出ていくこともできますが、せっかく屋根と窓が付いた平らな場所が無くなります。お金払えばいくらでもそういう場所は確保は出来ますが、今やっと貯まりだしたお金を減らしたくはありません。相変わらずトイレはバケツですが、ただには勝てません。 それにオーレの知り合いか、まぶ達かわかりませんが先住民族は私らです。
河本「どうする」
私「聞くしかねーじゃん」 誰もいない留守中に本物の泥棒が入った可能性もあります。
私「えー、ウイー、ドウノット、ハブ、スーベニア。ノーライター、ノーハンカチ、えー えー、ノー扇子」
扇子をどう言うのか未だ知りません、何もしゃべらないより日本語でもしゃべった方がましです。そして、精一杯作り笑いをしました。顔が引きつりそうになったくらいです。もし何かの間違いなら相手に悪いじゃないですか。
金髪B「ホワット!」 金髪AはBの後ろに寝っころがって、にやにや笑ってます。
私「ノーライター、ノーハンカチ、ノースーベニア」 気の利いたことがいえればいいのですが、こんな時は特に言葉が出てきません。この3つの単語を相手が解るまで繰り返すしかないわけです。後はその補助で、ジェスチャーを付け加えました。私のリュックを左手で持ち上げて、右手でリュックを何回も指さしました。
私「ノーライター」
河本「ドウ、ユー、ノー、アワー、スーベニア」 そういえば、英語の得意なのは、河本くんの方でした。彼のは、文章になってはいます。
金髪B「アイドント、ノウ。ナンジャラ、カンジャラ.....。」
河本「バット、ノーボデイ、カム、ヒア。ユー、アー、オンリー、ワン。イエスタデイ、ウイー、ハブ、スーベニア。シュアー、ツデイ、ナッシング」 怪しげな英語ではありますが、ずいぶん彼は上達はしました。私は相も変わらず、単語イングリッシュです。
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