パリへ入る
車の旅行は宿泊費を節約できます、ガソリン代が必要な代わりに荷物を担がなくとも良いし疲れたら道ばたに車止めて休むことも出来ます、雨が降っても風がふいても行動は自由です。日本でも出来ない全天候型の旅行を私たち始めていました。
予算もないのでハーグを出てからホテルには泊まりませんでした。国道(たぶん、大きな道をくるまでぶっ飛ばしましたから、ほとんどは国道だったと思います。)をひた走りに走りました。
夜、疲れてきたら、こぢんまりとした街を見つけ、国道から脇道にちょっと入って車止める、ある時は公園、またあるときは夕飯を買ったお店の駐車場、安全ですし、迷ったら道教えてももらえます。
このときの食事は、基本はコーヒーにパン、肉類はソーセージ、ハンバーガー、ベーコン、風呂は夏ではないので途中のトイレなど水が出るところで顔を洗うくらいで十分でした。
6日目にパリ郊外に入りました。途中のガソリンスタンドで地図は手に入れてはいましたが道の掲示板で「PARIS」と書いてある方向へハンドルを回すだけでほとんど問題ありません。
paris PARIS PARIS何たって花の都です。コペンハーゲンの夜景にも心は躍りましたが、今向かっているのは「パリ」です。
「おう、前、前、あれヒッチと違うか」
河本が前を指さしました。
若い女性のようです。
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