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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行実践編−航空券の種類(3) 】


  2.  昔は、運輸省とかその他諸々の機関が格安航空券の取り締まりをやってました。見つかってペナルティ、割引航空券一時ストップ、二ヶ月後に旅行者には誓約書を貰って(先の三条件を守りますと言う)おそるおそる発券開始、一年後いちいち誓約書を貰うのは面倒なので三条件のスタンプ復活、今度は別の航空会社がペナルティ。こんな事のくり返しで普通運賃からの割引航空券はできあがっていきました。売る対象も最初は学生のみと言う条件はあっても次の年は一般向けに少し販売してみて問題がなければまた次の年は割合を増やしてみる、ある特定の範囲のみから、そろそろと一般化させていくのです。

     格安航空券は普通運賃からのみスタートしたわけではありません。旅行が大衆化していくと同時に各種の特別運賃が導入されます。その中でも大きな物は団体運賃です。他に団体を運ぶ方法としてはチャーター便がありましたが少なくとも百五、六十人のメンバーが集まらねばならないし、しかも行きと帰りの日時は固定されていて変更することができません。そのうえチャーターの席をばら売りして一般募集することもできません。これが定期便の中の団体であれば最低十五人くらいから団体が適用されますし、人数が集まらなければ一ヶ月前なら席をキャンセルすることもできます。団体運賃が作られたことでパッケージ旅行は花盛りになっていきます。

     では個人の格安航空券はどうなったのでしょう。普通運賃からの割引はまだまだ不十分です。普通運賃から二十パーセントを引いたところで元々の運賃が高いのですから、すごく安いという実感がありません。もし団体適用の航空券をそのままで売ることができたらこれは本物の格安航空券です。しかし団体航空券には航空券単体で売ってはいけないと言う規約がありました。

     ホテルとか観光を付けた形で売る限りにおいて団体運賃の航空券を使って良いと言うことなので個人にバラバラに航空券を売ることなどとんでも無いことだったのです。人数の制限もありました決められた日程で団体全員が行動することと決められた人数以上の参加者がいないと航空券を発券してもらえなかったのです。

     例えば十五人が最低人数の団体航空券を使うことにしてツアーを企画したとします。全然人数が集まらなければツアーをキャンセルしてしまえば済むことですから至極簡単です。出発四十五日前に十三人参加者がいたとしたら本当にもう少しです。後二人、でももし出発二週間前でまだ集まらなかったとしたら無理をしてでも集めなければなりません。旅行会社同士、親戚、友人、知り合い、電話作戦です。

     最初はパッケージそのままで割引です、それでも集まらなければ今度は航空券だけで安売りです。パリ往復十二万円、それでもまだ集まらない。もう出発十日前です。パリ往復航空券だけだけれども八万円。七十五年ころにパリ往復八万円なら必ず行く人が出ます。

     ここでたまたま、メディア関連の人に話が言ったとします。必ず週刊誌などのコラムとか、得した話などに八万円でパリへなんてのが取り上げられます。宣伝でなく、記事の中で自分が得をする話にはほとんどの人が敏感です。こういう話は「キャンセル航空券の神話」と言って探せば飛んでもなく安い航空券もあると言う記憶とともに沢山の人の頭の中に残ったのです。いまでも年に何人かはキャンセル航空券はありませんかと問い合わせてくる人がいますが、グループの運賃が廃止されたいまそんなもんありません。

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