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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行者(6) 】


  2.  さて本題に戻ります。私たちはだいたい70年の初め頃から旅行者の動向をずーと見てきました。商売がブローカーから発展したものですから、かえって通常の公募団体旅行の動向は直接的には知りません。オーガナイザー物の場合は、チャーター便の席があと20席埋まらないのでグアム往復2万円でいいよなんて話がたまにあったのでつきあいはかなりありました。私らが相手にしていた人たちは、ほとんどがエアオンと呼ばれる、割引航空券(格安なんて言葉が出来たのはずーとあとの話です)だけを購入あとは現地でという人ばかりで、最低3週間くらい通常30日から45日の旅行に行く人たちばかりでした。少なくはありましたが6ヶ月とか一年旅行予定の人もいました。もっと長い人は、どういう経路で日本へ帰るか決めてない人もいたので、バンコック片道とか、香港片道でした。アメリカ、例えばロサンゼルス片道は入国時の入管チェックが厳しいためほとんどありませんでした。

     当初はこういうマニアックな人たちは、時間とともに絶対数も、全旅行者に占める割合も増えていく物と思っていました。最初に増えたのは公募の団体旅行者でした、ほとんど同時にオーガナイザー物への参加者も増えていきました。それらに引っ張られる形で少しずつマニアの世界も確かにオープンになっていきました。

     公募の団体旅行者は、大ヒットした映画の舞台とか、有名タレントが結婚式を挙げた国等のブームが起きるごとに爆発的に増えました。オーガナイザー物も商売がらみとか精神世界がらみで何千人とかかなりの物があります。マニアの世界もそれがあればいいのですがほとんどブレイクしたことはありません。逆にどんな不景気でも減りはしませんでした。

     海外渡航者数全体が増えていくと、マニアの数もなだらかにではありますが上昇続けます。どうも私たちブローカー体質の旅行会社はこの当たりをすごく誤解していたようです。

     (1)海外渡航者数が増える→(2)情報も多くなり旅のパーツも使いやすくなって海外渡航者が増える→(3)さらに旅行がポピュラーなものになってほとんどの人に身近なものになる→(4)団体でなくとも個人で旅行する人達が増える→(5)旅行マニアが増える→(6)絶対数が増えるだけでなく、渡航者全体の中の個人旅行者の割合が増える→(7)さらに新しい目的地とか、新しい遊びのために個人旅行者が増える→(8)従って新しいこと面白いことを常に心がけていれば旅行者はどんどん増えていく

     結果はそうではありませんでした。(4)くらいまでは思った通りの展開でした。年代で言えば80年代はじめから85年くらいまででしょうか。

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