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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行者(1) 】


  2.  少ししつこく話をしすぎました。まああまり深読みせずにさらっと旅行会社の(1)〜(7)までを読んでいただければ旅行会社がどんなものなのかは感じていただけると思います。

     さて、旅行会社と来ればその次は、あなた方自身そう旅行者の話です。今旅行者の姿は実際にはどんなものなのか、大げさに考えると旅行者あるいは観光客としてのあなたは日本の社会のどんな位置にいてどう写っているのかをちょっとだけ考えてみようと思います。大きなお世話かもしれませんが、なんだか旅行者の理想像が一人歩きしてとんでもない姿になっているように思うからです。あんたのご託なんか聞きたくないと思う方は、旅行者の項をとばしてください。まあ、本当に大したことはしゃべりませんから。

     ちょうど最近の日経新聞の夕刊に「変わる」という欄があり「自分を探しに一人旅」ととタイトルがあり旅行についてかかれていました。ちょっとそれを引用させてもらいます。

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     漠然とした物見遊山の旅行は廃れた。遺跡や自然に感動を求めるだけではなく、日常から切り離された空間で開放感を味わうゆとりの旅が生まれている。
    千葉県に住む斉藤洋子さん(29)にとって初めての一人旅で訪れたトルコは印象深い。.................中略........。
    ....石灰棚の後方に広がるヒエラポリス遺跡の荒廃に「滅びの美学を感じた」。異国情緒という言葉では片づけられない感動だったらしい。

     トルコには、航空券だけを買って出かけた。毎日、まずその夜の宿を確保して観光する、はやりの「独り歩き」だった。数百円のタクシー代を節約し、千円でも安い宿を探した。「東京では夕食に一万円札を差しだし、数万円の服を買っているのに」と笑う。

     裕福な日本の消費生活に疲れることがあるのかもしれない。斉藤さんは「日常から切り離され、世界にたった独りで存在するという開放感がたまらない」という。時間、人間関係、金銭感覚。自分を縛る日常からの解放を追求すれば一人旅にたどり着く。斉藤さんは年に一度、旅先で自由になる。

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     最近の新聞の論調を見るとこのような感じのものがとっても増えています。何か良さそうです。ブランド物のショッピングツアーとか、団体で行く駆け足の観光ツアーなどより一人で、年に一度ではあるけども日常のしがらみから離れた自由な旅をする斉藤さん。悪くはないです。

     (この記事本当に斉藤さんがこう言ったし、大筋で彼女が話したことが脚色されずに記事になってることを前提に話を進めます。新聞も雑誌もだいたいが、最初からその記者は大筋でストーリーを作っていて、インタビューはその筋に当てはめるための断片に利用されることが非常に多いからです。
     名前が少しはある人のインタビュー記事は勝手に創造してしまうと文句を言われることが多いし、事前に原稿を本人に見せてチェックすることもあるためある程度はタガがはまっています。一般人相手の物はどうもいまいちです。インタビューに応じた本人もまあ新聞にでたから良いかとなりがちです。)

     全然悪くはないのですが、どうも引っかかります。前にもどこかで読んだような、それは朝日新聞だったか、東京新聞だったか、同じ日経だったか、それとも雑誌のハナコだったかアンアンだったかプレイボーイだったか。これらの読み物を一ヶ月間ウオッチングしますとほぼ同じ様な記事がどこかに必ずでてきます。

     そこにでてくる旅行者の特色を箇条書きにしますと

     1)日本の現実に満足してない、疲れている。
     2)日本では現れない本当の自分が海外旅行中に見つかるか見つかるきっかけ
       になる。 
     3)旅行はその大きな曖昧とした目標のための手段である。 
     4)旅行の形は基本的に一人旅である。
     5)理想的には日本では航空券だけを購入、後は現地で手配する。
     6)お金を今持っていてもとにかく安く旅行できなければ旅行は失敗だと思っ
       ている。
     7)なにはなくとも「現地」という言葉を好む。
        現地の人と同じ物を食べ、同じ目線で考え、現地の人とふれあって、現
        地の人の生活に触れ、観光客が見る見方でなく現地の人の考え方で、
        **この「現地」という言葉、一歩間違うと「現地人」という昔は「土
          人」とも呼ばれた危ない言葉に近いです。最近は、地元という言葉
          も使われ始めました。**
     8)観光地とか観光客という言葉に拒絶反応を示す。
     今回の一人旅は、通常観光客か行く観光地は極力さけた旅でした

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