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「トラベルメイト98」
  1. 【 航空券(6) 】

    「航空券のみ購入した旅行ははたして安く旅行できるか」について少し考えてみます。

     ほとんどの初心者が一番間違いやすいのが、良い旅はお金をかけてはいけない。それはまず格安航空券だけを購入して後はできたら地図も持たず行き当たりばったりに現地の安宿を泊まり歩いて、現地の人が食べる食事をとり、観光地には行かない旅行が最高で、その上精神的に貧しい日本ではわからなかった自分が発見できる。要するに「猿岩石」的な旅行が最高であるという誤解です。さすがに、TVに出て有名になった彼らへの反発もあって何の但し書きもない手放しでの礼賛はないようですが、TV局がやらせたのではなく彼らが自分たちで、もし旅行したのなら悪くはない旅行だと言う暗黙の了解はあるようです。   中級者以上の人になると、ほとんどが気づいています。不動産と一緒で安くて行き当たりばったりで面白くて安全な良い旅行などあり得ないと言うことを。不動産の価格で相場より安い安全な掘り出し物など、プロ相手にはあったとしても素人相手には有るはずがありません。

     それはたぶん、右も左もわからない最初の頃から、何度も試行錯誤して得た体験でしょうが妙に皆がこの点だけは一致します。初心者の人に言わせればそれはちょっとだけ体験を積んだ人の、新人への自慢とかごたくに過ぎないと思われる方が非常に多いのですが、そうではありません。100%自慢話ではないと言い切れるかと言われれば、言い切れませんけどね。 でも自慢が何パーセントかあったにせよ、掘り出し物は初心者には回らないと言う現実は変えようがありません。

     ガイドブックとか雑誌に載る「こんな良い旅ができた」とか「みんなとひと味違う旅をしよう」、「現地でお金を使わない観光旅行ではない旅をした」 、特集.「心の贅沢貧乏旅行」。どれもが簡単にちょっとの工夫で誰にでも掘り出し物の旅ができる様なことが書いてあります。逆に警告をする記事も無いことはありませんが、圧倒的に「個性的な良い旅貧乏旅行」派が量が多く刺身のつま程度の扱いしかされていません。その上、警告する記事は実体験からの積み上げのマジなものは少なく、だいたいが「今年の連休にバリ島に殺到するOLのみだらな現地生活」とか「ワイキキの新婚さんと成田離婚の増加」なんてーのが多いようです。(まー、私個人の好みから言わせてもらえれば、こういう記事、嫌いじゃないですけどね、「こんなことあるかよ」などとぶつぶついいながら読ませていただいております。)

     実際に初心者の人が航空券だけを購入して、「小林紀晴」風、地図のない旅に出かけたとします。あるいは、「下川祐治」風、12万円で世界の旅でも良いのですが、とにかく出かけたとします。前者はアジア地域をぷらぷらしている旅行者風観光客、後者は現地に住んでいて旅行者風観光客の回りで生計を立てている人達との交流をそれぞれ目的にしています。彼らに共通するものは観光地にはまず行かないと言うことです。 理由は良くはわからないのですが、たぶん「自分たちは観光客ではなく旅行者である」と言うプライドがあるからかなと思います。 

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