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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 昔の旅行者(7) 】

     さて、この頃の個人旅行者がどういうふうに旅行の資料を集めたり旅行手続きをしていったか、を紹介しましょう。皆さんいろいろ工夫し悪戦苦闘してます。

    <パンフレットの収集>

    1)旅行代理店

     個人旅行に特化していた代理店などこの頃はほんの少数でした。第一個人用の割引航空券など「潜り」でしか商売できないときでしたから、シベリア回りの手配をしていたロシア専門店とか、大手の旅行会社でもロシア(当時はソ連)手配デスクしか個人旅行者との接点はありませんでした。(ここいらは正式な表の認められた手配でした)

     ですのでこの総集編では、旅行手配頼むところではなく、パンフレットをもらう窓口として紹介されています。そしてこう書いてあります。

    「最近の大手旅行代理店の店頭に並べてあるパンフレット類は、ほとんどが団体募集用のパンフレットである。.....(中略)...。旅行代理店では旅行に役立つパンフレット類を作ってはいない。それらは、航空会社や各国の観光局が発行してるもので代用している。...(中略)...。店頭に並べたら、海外旅行ブームの昨今ではたちまち無くなってしまう。自社で旅行手続きをした人のうち希望者だけ奥から出してきて渡しているところもある。」

     1971〜1973年は、第一次海外旅行ブームが来たときです。ブームだけど個人旅行の情報もない、それに応じた旅のパーツ類もない、第一窓口が何処にもない。政府の観光局をオープンしている国でも、その国の安宿の情報とか、公共交通機関の情報は極端に少ない、結局自分で集めてこなければならない、事になってました。

     「割引航空券(今の格安航空券)」は、表っぽい所ではJISU(日本国際学生連盟)等がもう取り扱い始めてましたが、学生マーケット以外へは「ISWG」「JTS」等が、外資系とか海外旅行マニアむけにやっとスタートしたころです。一般向けにはほとんど航空券の安いのは認知されてませんでした。この「WORLD」も大阪で活動してたこともあるかも知れませんが、まだ日本発の割引航空券は機関誌の旅行計画の中には出てきません。(この頃の東京はどんな状況かは詳しくは知りませんが、一般大衆の間では同じ様なものであったと思います)

     2)航空会社
    「航空会社の事務所は私達には直接関係ないが...(中略)....。」と最初に出てきます。

     そうですこの頃の航空会社は、直接私達には関係ない所でした。まず日本出るのに飛行機は使わなかったですから(もっと正確に言えば使えなかった、高くて!)。そして航空会社訪問記が続きます。
     今なら、誰も航空会社訪問記など書かないでしょうし、そんなものを書くアイデアさえ思い浮かばないでしょう。この頃は絶対必要なものだったのです。

    <K航空会社>(たぶんKLMオランダ航空)
     どちらへ行かれるのですかと聞かれて、北欧と答えたら、カウンターにあった30種類ほどのパンフレット以外に、奥から国別のものをくれたとあります。成果は、国別のもの−−8部、ヨーロッパ全体−−7部 オランダにつぃて−−7部

    <B航空会社>(多分BOAC英国航空)
     北欧に行きたいというと、うちは飛んでませんが、同系列の会社が飛んでいるので、探してみますと奥から3部のパンフレット持ってきてくれた。北欧なら、KLMかスカンジナビア航空へ行かれたほうがとアドバイス有り。帰り際にはわからないことあれば聞きに来て下さいと付け加えてくれた。
    国別のもの−−2部 その他−−2部

    <A航空会社>(たぶんアリタリア航空)
     来客用の豪華なイスに案内されたので少々ビビル。すすとドイツに行きたいのだがと話すと、二部パンフレットをくれた。「いつ行かれるのですか」と聞かれたので「来年です」と正直に答えたら、対応が変わった。「外国についての相談は旅行代理店に行った方がいいですよ」といわれた。国別のもの−−2部 その他−−1部

    <S航空会社>(多分スカンジナビア航空)
     北欧のパンフ請求。スチュワーデスのようなスマートな制服着た女性がカウンターで対応。所要時間とか運賃を聞いた。「わからないことあればいつでも来て下さい」と言われた。
    都市別のも−−4部 その他−−3部

    <F航空会社>(多分フィンランド航空)
     何か質問しようと思ったけど係り員、忙しそうにしていたので何も聞かず出てきた。
    都市別−−2部 その他−−3部

    まとめとしてこうあります。
    「−−−前略−−−−ある国の旅行事情について知りたいのなら、旅行代理店に聞くよりも航空会社で聞いた方がより詳しく聞けるのではないか。−−−−後略−−−。」

     そうですよね、この頃の旅行代理店に勤めてる人海外旅行等行ったことない人多かったです。航空会社に勤めてる人、勤めてるということだけでエリートと見られたときでした。実際ほとんどの航空会社勤務の人海外旅行してました。

     次は、大使館とか観光局につての説明です。

    (注)
    なお、上記の航空会社の部分は、実際の紙面に載せられたものではなく、私が短く意訳したものです。

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