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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 航空券(2) 】

     航空券(1)からの続きです。(1)は、航空券というよりパッケージ旅行の説明になってしまいました。パッケージ旅行に比べて航空券のみの場合はと展開します。

     1月1日、元旦、昨日朝4時というより今日の朝4時まで起きて友人と大騒ぎしてさて一寝入りと思った朝7時半。「こちら成田のXYZ社です、お世話になっております。今日出発の田中さん、 航空券お持ちでないのですが、お宅様からいただいた指示書によれば、ホテル の宿泊券とか保険の書類、パスポート、ビザは空港渡しと言うことで、実際こ ちらにあるのですが、航空券に関しては前もってお客さんに直接郵送済みになっ ていますが。」

    H旅行者社員A「えっ、航空券がない」

    XYZ社B氏「そうです、お客さんに聞いたところ、今ここでお渡ししている書類
      も前もって郵送の予定でしたが、予定が狂ったとかで空港渡しになったと連絡
      をもらったそうです。」

    A氏「えーー、送ったように思いますが、お客さん空港にお持ちになってない。」

    B氏「なってないです!」

    **語句の説明**
     #−XYZ社は、通常<センディングの会社>と呼ばれ、空港での出発前のチ
     ェックイン関連のことを手助けする会社です。皆さんが空港集合で航空券をも
     らうとき、空港カウンターでいろいろな手続きをしてくれる人は、ここの会社
     の人です。航空会社の人ではありません。

    #−H社〜ここは皆さんが直接航空券とか、パッケージを購入する旅行会社、
           成田での集合ツアー名は「Hツアー」です。
        BCD社〜航空券を発券してくれる問屋さん。直接消費者とは取引をし
             ません。対旅行会社専門です。自分ところで発券した航空券
             は当然成田のBCDツァーカウンターに送られます

     もうろうとした頭で記憶をたどります。そうだ、この田中さん、ビザ取るのに手間取ったし、ホテルもぎりぎりになってとれてきたから最初郵送ですますつもりが、空港渡しにしたんだ。とすると航空券は、早くから航空券はOKがきてたので送ることに最初はしてたんだ。そのあとは、はっきりとは覚えていません。手元に顧客カードでもあれば記憶をもっとハッキリたどっていくこともできますが、今自宅でそれもありません。

     パリ行きの田中さんの航空券はBCDツアーに発券を頼んだはずだ。それならたぶんBCDツアーの成田カウンターにあるかもしれない。もしBCDツアーの銀座本社にそのままあったら、もう間に合いません。しかしもし本社にそのままおいてあったとしたら、誰かがこの航空券成田に送るのかそれともA氏が取りに来るのか確認の電話があったはずだし。でももし、電話を受けたうちの会社の者が伝えるのを忘れていたなら。....。考えれば考えるだけ悪い方悪い方に行ってしまいます。

     考えるよりは今切符がどこにあるか探すのが先決です。たぶん、BCD社のカウンターに送られてるはずです。
    A氏「発券はBCD社ですから、BCDツアーのカウンターに航空券きてません
       かね」
    B氏「解りました、BCD社の方のカウンターチェックしてみます」 
    A氏「切符があればすぐ連絡もらえますか。えーと、なくともすぐ連絡くださいこっ   ちでも動かないといけませんので」
    B氏「わかりました」

     こういうときの待つ時間の長いこと、何回時計を見上げても時間は進んでいません。今日は元旦です。一つ年を取った以上に髪が白くなりました。
     電話が鳴りました。20分ほどたってからです。
    A氏「Bさんですか、どうでした。」
    B氏「ありました、BCDツアーのカウンターに」

     いつもこうとは限りません。たった航空券を渡すだけでこれだけ大騒ぎになることがあります。成田空港への指示書に「航空券は、BCDツアーからピックアップ」と書かなかっただけで的確なところへ航空券は配送されません。航空券が銀座ではなく、たった5メートル先のBCDツアーのカウンターにあったとしても、Hツアーのカウンターになければ田中さんはその日飛べません。

     旅行の商品は何回か同じ様なコースを何十人が体験しています。トラブルもその都度起こってそれに対する対応もそれなりにできあがってきます。原因はいろいろあります。旅行会社のミスによるもの、お客さんのミスによるもの、どちらでもない不可抗力なもの。何回も繰り返していればとんでもないとか、思っても見なかったとかのトラブルは減ります。商品の中で使われるそれぞれの旅のパーツもなじんできます。つまりそれぞれの旅のパーツの担当者同士も気心が知れてきて、あのガイドはなかなか良いとか、何かあったときロンドンのT社の細野さんはしっかりやってくれるという感じの一種の有機体ができあがります。

     これら実際に何度も実行された旅行商品は旅行に関する相談も現地の国の情報も具体的な説明も、的確な案内も十分すぎるくらい可能です。目的地も絞られているし、日程も決まっています、使うホテルもだいたい決まっていますし、旅行が催行される季節もほぼ同じです。

     これらの旅行商品に比べ、航空券のみの販売の場合は旅行者にとっても旅行会社にとっても全然別の業種の商品を販売するくらい違うものです。 さーここからが航空券のみ購入の場合のお話です。 航空券(3)へ続きます。

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