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「トラベルメイト98」
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【 心の病(6) 】
<偶然と幸運−2>
日本がいやになって無目的に海外に飛び出し、何らかの成功とか、自分を取り戻して今後の人生の展開が見えてくる話は感動ものですが、そういう人たちは極度のストレスとリスクとに悩まされながら、数々の幸運に恵まれながら偶然に生き残っただけなのです。
「生き残る」なんて大げさなと思わないで下さい。長期の旅行中に重い病気になることはそんなに珍しいことではありません。病気がピークを迎えたときに回復の方に命が転がるか、もうあかん方に転がるかは、ほんの偶然なのです。何の理由もありません。
いい人だから天が助けたり、悪い人だから天罰が下ったということはありません。この面では悪人も善人も全く平等ではあります。
強いて言えば、本当に強いて言えばですが、もっと生きたい!!まだあっちではなくこっちの世界にいたいと思えば思うだけ、ほんの少しですが、偶然はあなたに味方するようです。
心は、ある面では高度の肉体ともいえます。高度の部分での病は、単純なビールスによる病気のように免疫機構がビールスをたたけば、回復に向かうようなものでもありません。この点では心の病気は非常にやっかいなものといえます。出来たら、というより絶対に旅行中は心の病気の発病はさけて下さい。
心の病は、日本で何の原因もなかった人が、突然海外で発病することはほとんどあり得ません。
日本で社会的に不適応な生活を送っていた人は、日本だからという特殊な事情での不適応ではなく(本人は得てして日本だからと思いたがります、その方がまだ夢持てるじゃないですか)どこの世界でも見られる社会不適応な人がたまたま日本に生まれただけのケースが大部分です。
人間生活のベーシックな部分での不適応ですから、海外旅行でどの国へ行っても、同じ結果しか出ません。日本以外ならもっと実力が発揮できるのに、本当の自分はここにはないなんて思っていませんか?そんな社会の高度の部分での不適応は、ほとんどの人には縁のないことです。(社会に適応することが必ずしも正しいとは思いません、社会が間違っていて、そんな社会に適応しないことが正しいことだってあり得ます。)
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