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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行トラブル実践編:病気(8) 】

    <発熱について>

     実際に旅行中に熱が出てきたとします。例えば、長距離のバス旅行を続けているときに、急に高熱と吐き気がおそってきた、さらに悪いことに明日バスは4000mの峠越えをする...、サーどうします。

     峠越えると都会はすぐ、大きな病院もある、しかし体はがたがた、明日出発しないでこの寒村に一週間滞在するかそれとも、無理して出発するか!

     もし同行者がいて峠を越えて都会に入ったらすぐ病院へ連れていってもらえるなら無理しても出発すべきでしょう。

     自分一人だったら、そして体は動きそうでもあるし、明日の4000mの峠は越えられそうもないようでもあるし、よくわからないやと言うとき、まず朝食を食欲が無くとも無理して食べてみて下さい。吐き気があったとしても、ゆっくりゆっくり食べてみて下さい。特に紅茶とかミルクをまず砂糖入りで飲んでみて下さい。体の末端までエネルギーがまわって元気になりそうな気がしたら、峠越えは決行です。体が砂糖入りの温かい飲み物さえ受け付けないようであれば、明日の出発は無理です。少なくとも後二日は十分休養を取って再トライです。

     たいてい重病の時は高熱が出ます。それが発病してすぐ最高点の発熱になるか、少しだらだら三十八度くらいが続いて四十度になるかは、病気によっても違うし、人によっても違います。

     通常発熱は、係留熱と弛緩熱と言う形で現れます。係留熱とは、いったんがっと熱が上がりそのままの状態が数日続くこと、弛緩熱とは、熱が上がったり下がったり一定の状況ではない熱の出方を言います。

     移動するときに一番やってはいけないことは、熱が最高潮になるようなときに移動のタイミングを合わせることです。湿った薄汚れた毛布が掛かったがたがたのベッドでも、未舗装の田舎道を飛ばすジープのベンチシートよりは体に数倍よいのです。このタイミングを計るのには、ここ数日の熱の出方を参考にして、自分の発熱が今どちらの状態なのか、うまく判断する必要があります。

     発熱に関して理解して置かねばならないことは、発熱は病気そのものではなく、体に入ってきた病原体に対して、防御作業を始めた結果熱がでていると言うことです。これを利用した病気の治療方法もありました。あの有名な性病の梅毒を治療するためにマラリアに感染させ、その結果出てくる高熱を利用するもので抗生物質が発見されるまでよく利用されました。

     体が(特に頭の中の脳が)耐えきれる範囲でしたら、チョットしんどいですが、熱は決して悪いものではありません。強引に解熱剤で熱を下げると少しの間は体が楽ですが、かえって病気自体を悪化させてしまうこともあるようです。(発熱で直接菌を高熱によって殺すわけではありません。せいぜいが人間の体温は高熱でも四十二度。普通細菌を殺菌できる温度は六十度から七十度くらいからで、この温度では人間の体自体が持ちません)

    素人が自分の体の状態を判断するのは、かなり難しいことです。ですが、医者もいない田舎の安宿に泊まって、病気が重くなったときなど難しくても、的確な判断をしなければいけなくなるわけです。その時はあなたは多分、頭がもうろうとして雲の上をふわふわ飛んでいる時です。結果は多分出たとこ勝負になってしまうでしょう。

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