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「トラベルメイト95」
- 【 最初に理解していただきたいこと 】
この本で取り上げる「旅行」あるいは「旅」は遊びが目的のものです。ビジネスとか留学についてはそれなりの目的のガイドブックがありますのでそちらを参考にしてください。航空券の利用方法等の技術的なことは一部共通な部分もありますが、この本は海外の駐在とか留学についてほとんどふれてはいません。遊びとしての「旅」を極めようという本です。
一般的に言って「遊びだよ、遊び」と言ったときのイメージは軽くてお気楽なものという意味でしょうが、ところがどうして本格的に遊び出すと、手間暇がなかなかかかるもので、一歩間違うと身上を潰すことになるほど危ないものなのです。特に海外旅行は、自分の全体力と知力を動員して全身で楽しむものですから、他の遊びと比べるとリスクも大きいし、その代わり面白さも数十倍です。
「遊び」には「遊ぶ」技術を学び、慣れることが必要です。何の準備もなしに、気楽にそこは行けば楽しいことが待っているわけではありません。入門書を読んでスグできる遊びはまずありません。
例えば野球なら、野球のルールをメンバー全員が理解していることが楽しむための最低条件です。後できたら最低限の技術もあればもっと楽しくなります。
海外旅行は特に、日本国内での商売のルールに始まって、海外での人とのつきあい方やタブーまで一つ一つ体験して覚えてゆく「遊び」でもあります。ルールとタブーと体験と旅行技術の蓄積があって、やっと海外旅行という遊びに恰好が付きます。
遊びは非常に贅沢なものです。海外旅行はその中でも贅沢な遊びの究極のものの一つです。金をかければ何とかなります。時間をかけても何とかなります。時間と金をかけたら最高です。時間も金もかけない、あるいはかけられない遊びは惨めです。これはもう遊びと言うよりも苦行の一つです。絶対に楽しくありません。楽しくないことは遊びではありません。
遊びは基本的に「消費活動」です。遊びには、ルーズな浪費がよく似合います。きちっと立てた計画、損をしない支出はあまり似合わない言葉です。合理的なお金の使い方をしてはいけないと言うことではないのですが、節約と効率は「遊び」にはなじみません。
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