トラベルメイト Top page へ戻る

トラベルメイトトラベルメイト95

<<前のページ     次のページ>>

「トラベルメイト95」
  1. 【 高い金を払っているんだから… 】

     最近はさすがに直接的な言い方と態度で現す人は少なくなっていますが、ちょっと形を変えたソフトなしかも一見まともそうな文句を言ってくる人はまだまだ多いです。もちろん旅行会社あるいは旅行会社社員が常に完全でミスを犯すはずがないなどとは思いません。それに旅行の手配は常にトラブルと隣り合わせでかなりの熟練がないと問題が起こるケースが多いのは事実です。今まではお客さんに問題があるケースばかりを集めた形になりましたが、旅行会社側に問題があるケースのかなり多いのは事実です。ですが最初から、

     「高い金を払っているのだから、サービス業なんだから、文句を言わないと働かないよ、舐められないようにこっちも旅行のことを知ってるんだぞと言うことをちらっちらっとほのめかせとおかないとぼられるよ、旅行会社なんてやくざな商売なんだか」

     こんな風に思っている人はいませんか。
    航空会社に対してもそうです。
    「最近のスチュワーデスはね、昔みたいには大したことはないよ、最近航空会社に勤めて るっても大したことはないよ」

     これらは何かの裏返しという状態です。特に初心者の状態の時に多く出てきます。中級者あたりでもまだ引きずっている人は多いようで。確かに、海外旅行が自由化される前は海外旅行に出ること自体が大変なことで、ほんの2週間ヨーロッパに旅行しただけで洋行帰りのシールを貼ってもらえる時代もあったでしょう。今は年間日本から海外に出かける人は延べ1000万人を越えています。ちょっと他より値の張る商品ですが、これを買ったところで人生が変わるほどの体験ができるわけではありません。女の子にもてるようになるわけでもなく、気分のいいトレンディドラマの主人公のように、すてきな商社マンと恋いに陥るわけでもないのです。

     ちょっとおしゃれなホームレスと言う言葉がありますが、旅行はちょっと値の張るお遊びです。それ以上でもそれ以下でもありません。このあたり旅行の業界の人も、旅行者も旅行という商品のイメージを過大に思い描きすぎてお互いうまく行かないケースが多いようです。通常は旅行中も日頃日本でも着ている服でシーズンさえ合っていれば十分でしょうし、おしゃれしなければいけない場合でも日本でおしゃれだと思っている服で十分でしょう。

     海外旅行というのは、特別晴れ着を着てゆく様な場所でもないし、ハイソサエティの仲間入りをする一歩でもありません、今は。世の中で色々ある商品の中でそう贅沢な物の中には入らなくなっています。旅行の商品を作ったり売ったりする業者側も、それを買う消費者側もお互いの実像を確かめ合って無理なイメージの押しつけ合いをやめたとしたらもっともっと楽しい旅行の手配ができるし、旅行をもっとのんびりと遊ぶことができると思います。

     よくもめごとが消費者センターへ持ち込まれることが多くなりました、それ自身悪いことではないですし、旅行業界自体がもめ事の多い業種ですから致し方ない面も多いとは思いますが、究極のサービス業ともいえる旅行の業界と、消費者、そして消費者センター、その他諸々の関連機関、合わせてもっと無理なくつき合えればなと思います、特に旅行の業界で実務に携わってるスタッフの疲れ具合は、14、5年前から航空料金を初めとして、パッケージの料金も据え置きか下がっている価格破壊がもっとも進んでいる業種の故ピークに達しています。少し堅い話になりますが、アメリカの消費者連盟の創始者の言葉をあげておきます。

    ○アメリカの全国消費者連盟(N.C.L)

     すべての労働者は公正な賃金を受け、衛生的な労働条件の元でものを生産せねばならない。この目的を達成するには消費者も協力する責任がある。自分たちがどうして安いものを手に入れることができるかを考えようともせず、安いものあさりをしていることは労働者に災難をもたらし惨めな生活を強いる結果となる。
     従って消費者はどのような条件の元で自分たちの購入するものが生産され配給されているかを見いださなければならない。そしてその条件は労働者の健全な生活と一致しなければならない事を消費者は外に向かって主張する義務がある。
     NCLは世論を啓発し労働者の労働条件の向上に勤めるとともに不健全な労働条件がもたらす様々な危険を消費者が被ることのないよう保証することを提案する。
    (NCLの創設者フローレンス.ケリー)

    <<前のページ     次のページ>>

     



↑ページ最上部