[vol.25]
8月20日(金)焼津〜大津〜宝塚〜広島

旅を開始してから2日目の往路広島で磯辺さんにひろってもらい、そのうえ2日も泊めてもらった。小学5年と2年の男の子がいてニンテンドウ64のゲームをたくさん持っていた。兄弟のいない風太は兄弟ができたようでおおはしゃぎ。よっぽど居心地がよかったらしく帰りも寄りたいというので厚かましくまたお世話になることにした。

焼津から磯辺さんの住む広島まで700K。果たして今日中に着けるだろうか? これだけの距離を1日で移動するには高速でいく以外ない。高速道路のヒッチハイクは入り口のインターを入るまでが結構むずかしい。せっかくヒッチしても行く方向が逆であったり、アプローチのカーブがきつくてとまってもらいにくいところも多い。

だが、いったん上がってしまえばあとはわりと楽だ。途中までいく車だったら手前のサービスエリアでおろしてもらう。次はエリアの出口で本線にもどる車をヒッチすればよい。サービスエリアは広く、夜も明るい。出る車の方向は決まっているし、まだスピードもでていない。パーキングエリアでも同じだけれども、駐車している車の数が違うので深夜などまったく動けなくなることもある。

焼津から次のサービスエリア牧の原まではゴルフに行く海野さんに送ってもらった。朝はものすごい雷で目を覚ましたくらいで一時的には激しい雨にみまわれた。海野さんのパソコンが壊れたらしい。雨がおさまるまでしばらくエリアから動けないかもしれないと覚悟をきめ、レストランで熱い紅茶を飲みながら過ごした。朝が早かったのでアセリもなく淡々とした気分。忙中閑ありか。

30分ほどで雨は上がり、早速ヒッチ再開。雨がもどってきそうだったがすぐに名古屋にいく車がとまってくれた。今回の旅ではラッキーなことに天気にめぐまれて傘をさすこともなっかったが、ここでも運は続いていた。名古屋に近ずくにしたっがて天気は回復。名古屋の手前の上郷のサービスエリアでは晴れて暑くなっていた。

上郷から先は分岐が多くのる車をえらばなければならない。中央高速や三重方面、北陸自動車道にいく車も多い。さらに京都を過ぎると大阪市内にいく道と中国自動車道、今回目標の山陽道、福知山方面などに分岐するのでなかなかやっかいだ。高速道を出てしまうとさらにやっかいだし時間もかかる。ここは一発決めたいところだ。

上郷では大坂までいく車をつかまえることができた。100Kほどもったいないが大津のサービスエリアまでお願いした。それ以上進むと次ぎのサービスエリアは山陽道をはずれてしまうからだ。新婚さんのような若中年のペアでカーナビのモニタ2台とTV1台がついているマニアの車だ。陽気な人たちだ。

大津のサービスエリアの配置は往路で苦い思いをしているので勝手はわかっていた。問題は大坂方面ではなく山陽道に向かうくるまをヒッチできるかだ。少なくとも宝塚の先の名塩のサービスエリアまで行きたい。ところがとまってくれるのは大坂方面ばかり。やっとのことで宝塚まで行く人をヒッチ。目標の10k手前だけれども山陽道方向なのでインターをでてもなんとかなるだろうと覚悟をきめ乗せてもらった。

2時半、宝塚に到着。ここまでは順調。ここらが広島までの中間点。うまくすれば8時ころには着けそうだった。マクドナルドで一服してインターの上り口にいった。ロケーションはままあまあなのだが、残念なことに違法駐車をして休んでいるトレーラ2台がスペースをとっていて最悪の状態になっていた。しばらくがんばってみたがトレーラは動きそうもなく来る車も大坂方面が多い。やっぱりダメか。

あきらめて名塩までJRでいってサービスエリアに入り込むしかない。地図でみると名塩駅まで行けばサービスエリアまでそんなに離れていない。宝塚から二つ目。簡単そうだが実際はこれが大誤算。

電車は途中で山間部にはいり名塩駅は厳しい斜面の谷間にあった。宅地開発がすすみ山の稜線におおきなマンションがあるがなんと駅からケーブルカーみたいな施設まである。もちろんサービスエリアは見えないし道は曲線ばかりで方角すら分からない。これは日本坂よりもっと条件が悪いというより最悪だ。とんでもないところに来てしまった。

駅の案内板をたよりに近くまで行きそうなバスにのった。全然逆方向に走り出し、やがて大きくカーブ。山を登り出す。どんどんいくと山麓にニュータウンが出現。坂ばかりの町だ。かなり大きいけれど店などは見当たらないが景色だけはよく神戸が眼下にみえる。よくもまあこんなところを宅地開発するものだとあきれてしまった。

とりあえず頂上付近でバスを降りてみたがサービスエリアどころか高速道路すらみえない。しばらく歩きいろいろな角度から探してみたが何もみつからない。日本坂の二の舞か? 不安がよぎる。こんな時はしばらく休んでじっとしているのが最善だ。駅に戻るべきかもしれないと考えながら通りがかりの小学生に高速の位置を尋ねてみた。

なんと谷の一番下を高速が通っているらしい。見えないわけだ。細い道を下ると不思議なつずらおりの階段が谷の方に続いている。なんか通学路のような看板がたっている。しばらく下ると待望の高速道とサービスエリアのガソリンスタンドのものらしい看板がみえてきた。その向こうに古い住宅地があった。ニュータウンの子供たちはここを通ってそこの学校までかようのかもしれない。大変なことだ。

高速道の下のトンネルをくぐりしばらくいくと草にうもれた高速バスの停留所に上る階段を発見。先にはサービスエリアがあるらしく車がスピードを落としながら通過していく。ついにやった。駅から2時間もかかってしまったがホットしてバス停にへたりこんでしまった。サービスエリアで1時間ほど休んだ。5時を過ぎてしまった。もう今日中に広島に着くのは無理かもしれない。広島まで350k以上もある。

しかしそれ以降のヒッチは順調だった。福山までのトラックをつかまえ、一気に広島の手前80kまで進み、福山からは宮崎まで帰省するバンをヒッチすることができた。広島到着10時半。道路からフェンスをこえて外にでた。近くのガソリンスタンドから磯辺さんに電話。夜も遅くなってしまったのでもしかしたら寝ているかもしれないと心配したが幸い紀子さんが携帯にでてくれた。後で聞くとやはり子供たちと磯辺さんは寝てしまった後だった。

風呂をいただき横になった。メールを書く元気は残っていなかった。風太はさそっくゲームをやっている。ゲームに関してはタフな奴だ。

 


Copyright(C)1999 小島春彦