[vol.13]
8月08日(日)直江津〜室蘭〜登別温泉

久しぶりにゆっくりと目覚めた。11時。風呂にいった。ひろくて温泉のようだ。サウナもあるし、なにより窓から海が見えるのが最高だ。極楽極楽。これならちょっとしたホテルよりも設備はいい。レストランで食事。ハヤシライスが大盛りでおいしい。暖かいお茶もありがたかった。ゲーセンやプレイルーム、卓球台もある。ただ電話が衛星電話でメールできないのが残念だった。

12時ごろ津軽海峡を通過。本州と北海道がみえる。夕方4時半室蘭に到着。快晴。西日がまぶしい。本州とはやはり何か違う。やはり広く感じるところか。

室蘭港から駅まで1k。このあたりは補助金でむりやり造ったという印象で歩いていてもあまりおもしろくない。ピカピカだけれどもとりつくしまがない。人に道をたずねると丁寧に教えてくれた。いい街になるのにはやはり土建よりも時間なのかもしれない。

室蘭は小さな半島になっていて国道38号に出るには10Kぐらいありそう。西にいけば支笏湖、東にいけば登別。どちらに行こうか迷ったが、登別行きのバスがきたのでそれに乗った。ヒッチの方向はこんな風にきまる。登別まで25K。だが20分ほど行ったところで、小銭が少ないのに気付いた。5千円では両替できないというので次の停留所で降りた。運転手はけげんな顔をしていた。すでに38号線に出ていたのでヒッチに切り替える。このあたりはヒッチハイカーならではの強みだ。

20年ぶりの北海道でのヒッチ。道はひろいのだがそのぶんスピードがでている。これは苦労しそうかもしれないと思っていると、ほどなくして脇のガソリンスタンドからでてきた車が止まってくれた。札幌まで行くという。いっそ札幌まで乗せてもらおうとも考えたが、やはり登別で温泉にはいってみたい。

登別温泉は国道から6Kぐらい入ったところにある。バスでいっていたら乗り換えで相当時間がかかたかもしれない。でも車は親切にも温泉のバスステーションまで送ってくれた。これもヒッチの不思議なところで、思ったよりずっとはやく着いた。車を降りるとすぐに温泉のにおいがする。暗くなりかけていたのでとりあえず泊るところを見つけようと何軒かの旅館に電話してみたがシーズンでどこも満室。

野宿するのにいい場所もなさそうで国道まで戻ろうかとバスの時刻表をみていると、地元の人が声をかけてくれた。安い宿をさがしているというと、あかしあ荘というユースホステルに電話しろという。ダメもとで電話すると何とOK。ユースホステルというから若い人が対象かと思ったが、今は年齢は関係ないらしい。昔はもっとややこしかったように記憶がある。

デスクで尋ねるとだれでもメンバーになれて1泊1000円安くなるという。北海道のあちこちにユースホステルがあるというのでメンバーになってしまった。パンフレットをもらい後で調べてみたらユースホステルというシステムはとても興味深い。インターネットと同じで国際的で安く自己管理が前提になっている。上膳据膳で儲ける日本の旅館も時にはいいがやはり旅人にはこちらのほうがふさわしいかもしれない。

温泉は白濁しているがツルツルして気持ちいい。男女1時間交代で入浴。温度はあまり熱くなく調整されているけれど、汗がふきでてとまらない。外の空気もあまり下がっていない。北海道でも今の季節はこんなものらしい。有名な温泉の割には街は案外小さい。大きなホテルがあちこちにあるせいかあまり風情がない。別府に比べるとどうしても見劣りしてしまう。

食事にでてラーメン屋に入った。牛乳ラーメンとかほたてラーメンとかのりラーメンなど珍しい名前が並んでいる。ためしに牛乳ラーメンを注文したが残念ながら品切れ。のりを頼んだ。うまい。スープも全部のんでしまった。

それにしても北海道に入ってからISDNの公衆電話がない。あっても旧型でうまく接続できない。しかたなく大きなホテルをあったてみる。あちこちみてやっと一台あった。これでやっとメールが送れる。でもこれから苦労しそうだ。

二段ベットの相部屋でトルコからの旅人と寝た。

Copyright(C)1999 小島春彦