[vol.06]
8月1日(日)亀岡〜京都〜大津〜静岡

亀岡から京都へ。電車で30分ほど。風太は電車でGOと実際は少し違うといっていた。結構山間部がありトンネルも多い。こんなむずかしい地形のところがどうしてゲームの入門編に選ばれたのだろうか。製作者の出身地でもあるのかもしれない。

京都駅はさすがにでかい。ゲームソフト「タワー」にも京都駅ビル版があるくらいだから半端じゃない。建てる前は京都にふさわしくないとずいぶん反対もあったらしいがぜんぜん違和感はなかった。東京駅などよりもセンスがいい感じがした。

朝早かったのでまだ人は少なかった。バスで祇園へ。あとは歩きで清水寺へ。さすがに京都だけあってなかなかの風情。店がまだ開いていないのでゴテゴテしたところがなく町並みや石畳が美しくみえる。息をつきながら三年坂を登りようやく清水寺に着いた。

観光バスなどは清水坂口のパーキングに停まるので、寺までは直接来るようになっていて最も風情のあるところは通らない。京都は見るところがたくさんあるのでいちいち気にしてられないのかもしれない。それにしてももったいないことだ。

清水の舞台は本当に高い。現代ではもっと高いビルはいくらでもあるが、やはり木造というところがすごい。風太はバンジーにちょうどいいなどとバカなことを言っている。京都タワーや駅ビルもよく見えるがやはり違和感はなかった。よくあることだが、いやがっているのは古くから住んでいる人たちだけかもしれない。

いつのまにか人が多くなり日差しもつよくなってきた。かき氷がうまい。風太は「京都といえばだんご」といってだんごを食べていた。京都とだんごがどう結びつくのかわからない。八つ橋や千枚漬ならわかるのだが。

京都駅にもどってみると日曜のせいか観光客でゴッタがえしていた。駅が大きいのはそれなりの理由があると思った。

ここから大津インターに行き静岡めざして名神高速でヒッチだ。昔、京都南や京都東のインターにはヒッチハイク禁止の看板があった。70年代ヒッチが盛んだったころ無茶するハイカーが多かったのだ。今ではたぶんそんな看板はないだろうがやはり京都ではヒッチする気にならない。

京都から大津まで電車を利用。思い出してみればここから迷走がはじまっていた。乗る電車をまちがえ新大津にいってしまった。山科までもどりやっと大津へ。普通なら15分たらずのところを1時間半もかかってしまった。外は快晴で暑い。睡眠不足と気疲れですぐには動けない。

駅のデパートのトイレでノートパソコンの電池を補給しながらメールを書く。いつもながら電池には苦労する。せめて3倍の3時間ぐらいもつようにしてほしい。駅の電話はISDN仕様だがまだ通信回線を使う人が少ないせいかパソコンを置く場所がない。しかたないので地べたに置いて送信。

30分ほど歩いて大津の名神インターへ行ったが進入口がせまく、くる車も大阪方面ばかり。しかたないので1号線に移動。日陰がなく暑い。遠くまで行く車をつかまえたかったが、やっと10K先までいく乗用車をヒッチ。冷房がありがたい。2台ほどのりついだが結局進んだのは3時間で20K。

次にのせてもらった車で、国道から琵琶湖があまり見えなかったと話すと見えるところを回ってくれるということになった。確かに大きい。さすが日本一の湖のことはある。湖岸では家族連れがピクニック。ヨットやジェットスキーをやっている。でもウインドサーフィンはいない。一時のブームはなくなってしまったようだ。前日はあの有名な手作り飛行機のコンテストあったらしい。なかなかすばらしい景色だったが、結局は遠回りしただけで5Kも進まず。

これではとても今日中には静岡につけないので、高速を利用するしかなくなって次の車で竜王インターまで送ってもらった。場所はひろく景色もよく、夕方で涼しくなってきた。しばらく気持ちよくヒッチしていたのだが、とまってくれるのは大坂方面ばかり。2時間待ったがやはりダメ。あきらめて8号線にでようとしたがやはり停まらず。

これでは大津のサービスエリアまで戻ったほうが正解かもしれないと覚悟をきめた。インターへ戻り再びヒッチ開始。ほどなくして停まってくれたワゴンは京都行き。半日かけてまた出発点の大津にもどってきた。サービスエリアで食事。エリアから外へ出る通路を発見。こんなことなら最初からエリアにくればよっかたかもしれない。ところがやはりここでもヒッチハイクの不思議がまっていた。

エリアから本線の出口でヒッチしていたら琵琶湖で花火大会がはじまり、回りが見物の車だらけになってしまった。こりゃダメかとガックリしていると、若いカップルが先に車をとめて歩いて戻ってきてくれた。名古屋まで行くということで喜んで同乗させてもらった。それが愛媛の寺田さんだった。

話しているとなにやらノートパソコンをだすではないか。子供の写真をエクスプローラでみせてくれた。ぼくと同様VBでプログラムを作っているという。こちらもノートパソコンをもってメールを出しながら旅しているといってメールアドレスを教えてもらった。風太も調子にのって電源を借りゲームまではじめてしまった。車でゲームをやりたいという図々しい願いが叶い満足そう。これで充電もバッチリ。 寺田さんには名古屋の手前のパーキングエリアで降ろしてもらった。

次にヒッチした車はカーナビやらオーディオに凝った特別仕様車。カーナビは結構正確で感心した。でもカーナビばかり見ていて運転したらかえって疲れそう。もう車の改良はやることがなくなってしまったのだろうか。

しかし次にのせてもらった車はさらにすごかった。古いジープで冷房がないのは当然として、窓はビニールでエンジン音が大きく叫ばなければ会話ができない。後部座席は横向きで、後ろ扉はなし。でもとてもワイルドで80kぐらいでもスピード感があり最高の気分。こうした車にのるとカーナビなんかバカみたいだ。降りてから記念撮影までさせてもらった。

午前2時過ぎ静岡に到着。雨が降っていた。パチンコ屋の駐車場で寝る。いろんなことがあってさすがに疲れた。充実した一日だったというべきか。

Copyright(C)1999 小島春彦