月面に人類初の足跡
1969年・昭和44年
7月20日、アメリカのアポロ11号ロケットが月面に着陸し、人類初の足跡を残してきた。国内では大学紛争夜学生の街頭運動が続発し、機動隊がしばしば出動した。乗用車の激増で交通事故による死者が1万4,000人を越え、幼児の誘拐事件が多発した。
翌年に大阪の千里丘陵で開かれる日本万国博を控え、本年の国際航空業界には、色々と大きな動きがあった。すなわちバルク運賃制度の実現、新しい航空会社の日本乗り入れによる新ルートの開設、日ソ航空交渉の妥結などである。また大西洋地域では、航空運賃のダンピング合戦が激化した。
万国博のPRのために渡欧していた芦原義重万博協会副会長が帰国後の記者会見で、「日本の若い旅行者の悪い評判をあちこちで聞かされた」と語った。
本年は海外旅行研究会が発足して満5年目。年末には会員数が200名を突破し、その分布状況はほぼ全国的な広がりを持つようになった。また会員の渡航経験者が60名を越え、活動の基盤がいよいよ固まってきた。そこで例会活動、機関誌活動のほかに5周年記念事業や各種の調査活動を活発に行った。また永年の夢であったガイドブックの出版がようやく実現した。
なお本年から会費を月100円に改正すると共に、納入に便利なように郵便振替口座を開設した。本年の活動のあらましは次の通りである。
*例会活動
前年の「海外旅行のABC」シリーズは好評の内に終わった。そこで前々年に起こった現地事情シリーズをさらに充実させた「世界をめぐる」シリーズが、本年の例会プログラムの柱になった。会場もこれまでの市立勤労青少年ホームから、府立青少年会館へ移った。またWORLDが例会のテキストとして使用され、例会と機関誌を有機的に結んで、双方の効果が高まるよう配慮された。
*機関誌活動
例会に出席できない地方在住者の増加によって、機関誌の重要性が益々高まってきた。本年1月から大坪君が、さらに3月から有藤君が加わって機関誌は一挙にグレードアップした。ことに有藤君の努力によって、次々と新しい印刷技術が取り入れられた。カラフルなデザインの表紙や詠み易い本文の構成は、会員だけでなく外部の人たちからも注目された。また本会のキャッチフレーズである<世界を歩く若人の灯台>(作・指谷君)やマークも決定し、WORLDの表紙を飾った。
*その他の活動
本会の発足5周年を記念して、記念集会と東南アジアツアーを実施した。とくに記念集会は大阪とロンドンで同日・同時刻に開こうという計画だったが、ロンドンに集まったのは内山君など2名だけだった。一方自分たちの手で海外旅行のガイドブックを作ろうという計画は、実業の日本社の協力によって実現、ブルーガイドシリーズに加えられ、全国の書店にお目見えした。
*月例会などの活動
◆1月5日
運営委員会(毎月5日)を開催
19日
WORLD第26号発行、東南アジアツアーの打ち合わせ
28日
世界をめぐるシリーズ「ソ連・東欧」を開催
◆2月5日
運営委員会を開催
15日
WORLD第27号発行
20日
世界をめぐるシリーズ「中近東」を開催、参加者26名
◆3月5日
運営委員会を開催、キャッチフレーズ・マークを決定
10日
JYH新聞全国版でWORLD第24号の頒布を呼びかけたところ、大きな反響があり、急いで増刷した。
15日
WORLD第28号発行
26日
世界をめぐるシリーズ「北欧」を開催、参加者48名。富岡さんの指導でLet's speak Englishをはじめる。
◆4月5日
運営委員会を開催
11日
大阪ユース・ホステル協会主催のグループ代表者会議に代表出席
15日
WORLD第29号発行
26日
世界をめぐるシリーズ「中欧」を開催、参加者38名
◆5月7日
運営委員会を開催
15日
WORLD第30号発行
22日
5周年記念集会の打ち合わせ
26日
世界をめぐるシリーズ「南欧」を開催
◆6月4日
5周年記念東南アジアツアーの打ち合わせ
15日
WORLD第31号発行
28日
世界をめぐるシリーズ「北米」を開催
◆7月5日
本年度渡航会員の歓送会を兼ねて運営委員会を開催
15日
WORLD第32号発行
26日
世界をめぐるシリーズ「南米」を開催
◆8月5日
5周年記念東南アジアツアーの打ち合わせ
6日
5周年記念東南アジアツアー・アジア班5名が大阪国際空港から出発
7日
5周年記念東南アジアツアー・韓国台湾班4名が大阪国際空港から出発
15日
WORLD第33号(5周年記念特集)発行、[海外旅行についての志向調査]を全会員を対象に実施
16日
5周年記念集会の準備会
21日
5周年記念東南アジアツアーの一行無事帰国
31日
5周年記念集会を開催
◆9月7日
5周年記念東南アジアツアーの反省会を開催
25日
WORLD第34号発行
29日
世界をめぐるシリーズ「東南アジア」を開催
◆10月17日
WORLD第35号発行
25日
世界をめぐるシリーズ「総集」を開催
◆12月11日
運営委員会を開催
16日
WORLD第36号発行
21日
大阪ユース・ホステル協会主催の[さよならの集い]で本会のPR展示を行う。
データアラカルトへ→