vol.032 香港 (5)
数日後、ゴローさんは日本へ帰りました。いったん金貯めて今度はアメリカに 行く予定だそうです。青学組は、マカオに行くと言って出かけてしまいました。
私はやっとバンコックへ飛ぶことになりました。
出発3時間半前に香港の空港に着きました。一時間ちょっと前で十分だと言われたのですが、今回が私の初めての飛行機体験です。日本国内でももちろん乗ったことはありません。
格好はロウマチャオへ行ったときと同じ、私にとって定番のスタイルです。黒のバックスキン、青の綿パン、茶色のとっくりセーターに青のウインドヤッケ、そしてサングラス。
自分ではかなり決まった格好だと思ったのですが、今から思うとかなりダサダサのファッションでした。
空港では、貴重品袋から切符を出して便名と出発時間のチェックです。掲示板を見るとちゃんと出発時間と便名はでています。よっしゃー、ひと安心です。イスに座って待ちました。
手持ちぶさたです。もう一度、掲示板を見に行きました。出発時間と便名は予定通りです。元のイスに戻って、予定表を見ました。バンコック到着は午後です。
バス使ってホテルまで行ったとしても夕方暗くなる前には着くでしょう。使う予定のバスのナンバーを確認しました。香港の空港でそんな物確認しても仕方ない話なのですが、何かしてないと不安でしょうがないのです。
日本航空のオネーサンが通りかかりました。
「イクスキューズミー」
「イエース」
つ、つ、通じました。万博でも少しは話したことはありましたが、一人旅で最初の英語です。今までは、英語しゃべるとき誰かが横にいました。皆でなにやらがやがややってればなんとかなっていましたが、今からは自分一人でしゃべらねばなりません。
考えてみれば、出国の時のゲートを聞くだけの話ですから緊張する話ではありませんが、最初なのでコチンコチンになりました。
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