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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(11) 】

     野宿予定の公園に疲れた足を引きずって帰ってきました。夕食は例のごとく食パンと牛乳です。先客が数人来ていました。同類がいるところの方が何かと安心できます。芝生の上にマットを敷いて毛布をかぶっているのもいれば、ベンチを占領してその上に寝袋を敷いているのもいました。回りの座り込んだり寝そべっている連中に目で挨拶をしました。手を挙げて、「ハーイ」と言ってくれるのもいました。

     最初はちょっと怖かったのです。だいたいこう言うところは古顔がいてそいつが場所のいいところから順番に場所をとって、新顔は必ず挨拶に行かないと脅されたり追い出されたりするのはよくあることです。 ここではお互い適度な距離と敵意のない態度があってなかなか居心地良さそうです。僕らも寝袋を敷いて横になりました。一時間うとうとしたでしょうか。河本が呼んでます。

    河本「おい、おい、片山、またいってみるか?」

    私「えっ、」

    私は半分夢心地のままです。

    河本「起きろ起きろ、まだ明るいじゃない。パラダイスへ行こうぜ」

    私「ええっ、ああー、元気だな。荷物どうすんだよ!」

    河本「担げばいいじゃないか、担げば」

     私たちせっかく野宿の体制になっていたのに、寝袋丸めてパッキングのやり直しです。

    「HEY,WHERE ARE YOU GOING?」

    隣のこれも男二人組の内の一人が聞いてきました。と思います。この頃、英語はしゃべる方も聞く方もかいもく駄目でしたから、今から想像するとこういう風に言ったんではないかなと思います。前後の状況からこうとしか思えませんでしたし。

    私らこう答えました「カムバック、カムバック ヒア、ウオーキングストリート、          ゴー」

     続けて彼らは何か言ってくれましたが、よく解りません。たぶんこれは本当に推測でしか有りませんが、「ウオーキングストリートへ行くのなら、荷物置いておけば」とでもいてくれたように思います。  まだこのときは、よく解ってなかったのですが、ヨーロッパの中で北欧はそしてその中でも特にデンマークは、犯罪が少ない安全な国でした。働くにもここは一番仕事が簡単に見つかって給料も良いし待遇もほかの国に比べれば段違いでした。偶然日本の旅行会社のミスではありましたが、一番的確な国の首都に最初に到着したのです。

     荷物を担いで、昨日行かなかった新しいポルノショップへ向かいました。今日は昨日と違って荷物を担いでいますからスキップ、スキップと言うわけには行きませんが腰のはいったいい歩きです。この日は二件しか回れませんでした。昨日のようにのどはからからで頭はぶっ飛びませんでしたが、相変わらず幸せでした。

     公園に帰ってみると、同じ場所は空いてました、隣の二人はもう寝込んでいます。私たちももう一度寝袋を広げ、寝床を作りました。懐には100$ちょっとしか有りませんが、コペンハーゲンって良いところです。二日目の夜は、私も、河本もぐっすり寝込みました。日本からの長旅と、昨日からのウオーキングストリート探検、職探しそれらの疲れが一度にどっと来たようです。

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