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「トラベルメイト98」
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【 最近の旅行者(6) 】
実際旅行に出て体験する現実は、日本で通説になってることとか、出版物、新聞、雑誌、TV等で発表される物とかけ離れていました。要するに実用にならないのです。あんなに長く習ったはずの英語は出発前から多分通じないとは思ってましたが、それ以外にも自分自身がほとんど実用的でなかったのです。
そんなもん、あんたが悪いんであって人のせいにするな、とおっしゃりたい人いると思います。でもねー、ほとんどの連中、うまくいかない怒りと、今後どうなってしまうんだろうと言う不安で、明るい顔はしてませんでした。
少数であったにせよそれは今の数から比べるから少数なのであって、当時でも年間何万人かは個人旅行に出かけていっていたはずで、それらのほとんどが日本で仕入れた知識が役に立たなかった事は、私あるいは私らの周辺の特定の個人の能力と不勉強のせいにされてもなーと思ってます。
「日本人は」と語られた後の、結論は肯定的な物はほとんどなく、こういう所がよくない、こういう所が遅れてる、それにひきかえ「ヨーロッパでは、西欧では、ロンドンでは、パリでは」の後に続く、礼賛の嵐。
この頃の日本人論で代表的な物が
1967年発行の「タテ社会の人間関係」中根千枝箸
1975年の「甘え」雑稿 土居健郎
この2冊読んでみるとわかりますが、決して自分に自信がもてて元気いっぱいになる本ではありません。
この頃のメディアを流れている(今も多分隠れ主流派の)基本の考えは上の二つの本に代表されるような物でした。よほどの異能を持ったヤツか努力をしたヤツ以外は、この「タテ社会に甘えんな」OSを頭の中にインストールして出かけるしかありませんでした。
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