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「トラベルメイト98」
  1. 【 日本の海外旅行の歴史11 】

     (10)で、「格安航空券」の名前が付いたのが案外新しくて70年代も後半に入ってからといいましたが、それ以前の「団体航空券」とか「キャンセルチケット」とイメージがごちゃ混ぜになってふつうの運賃より半分とか三分の一の、大変お得な航空券が、「格安航空券」だということになってしまいました。元々の、70年代の普通運賃に比べたら格安だという意味から三段跳びで、旅行業界の松茸になってしまいました。

     80年代の格安航空券の説明を読むとほとんどと言うよりほぼ100%「格安航空券は、どうしても規定の人数まで達しない団体の、不足している人数分の団体運賃の航空券をばら売りしたもので、当然空気を運ぶより少しでもお金になった方がいいので、どうしても投げ売りの安い料金になる」とまあ、こんな感じです。90年ももう後半の今年でも、まだ同じようなことを言っている新聞雑誌もあります。

     一つ一つの説明は誤りではありません、確かにその説明に対応する航空券はあります。しかしそれは一つではないのです。「団体航空券」「キャンセルチケット」「割引航空券(ディスカウント)」これらのどれかに、一小節ずつは当たるでしょうがこれら全部の条件を持った航空券などありません。

     格安航空券が、いまある個人旅行用の航空券の相場よりもっと安いものが探せばある、それが格安の意味だ、と取られるとしたらそれは全く都合のいい解釈で、完全に間違ったものです。

     いまの旅行のベースになっている「格安航空券」は、最初のスタートだった60年後半から70年中盤にかけては、確かに普通運賃に比べ「格安」だった。70年中盤から80年中盤にかけては、マーケットで売りやすい相場の運賃が「格安航空券」になり、90年代になってやっとルールの方が実勢価格と条件に追いついて今は、「相場の料金の航空券」とでも呼んだ方が当たっているようです。

     航空券だけを売るエアオンも、団体旅行のベースになる航空券も、今の市場の相場(完全なマーケットプライスではありません、航空券のマーケットにはそれなりに規制がありますから)に合った航空券を使っているわけですから、本来の意味での格安な航空券はほとんどありません。

    **広辞苑を引きますと「格安」とは品質の割に値段が安いこととなってい  ます**

     さて、まだ中途半端ではありますが海外旅行史をいったん終わります。どうもこのまま書き始めると、格安航空券のアンタッチャブルな時代から、運輸省の取り締まり(最初は真っ黒ではないけど、黒に近いグレーな業界でした。)、超格安だったけど空港に行ってみたら航空券がなかったとかのエピソード、たくさんありすぎて終わりそうもありません。 しかしちょっとは現実の旅行史の香りでも感じていただけたのではないかと思います。

     次は、旅行の種類です。団体旅行と個人旅行(1)から始まります

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