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「トラベルメイト95」
  1. 【 初めに 】

     ボルボと言う車の宣伝に「私たちの製品は公害と騒音と廃棄物を生み出しています」と言うのがありました。今までほとんどの宣伝は食堂のショーウィンドーに飾ってある蝋細工の見本を見せているようなもので、海老フライを注文すると実際の大きさは3分の1になっていることが多かったのです。こんな素直な宣伝は初めてです。

     旅行は特にイメージばかりが先行している商品です。売る側の不完全な手配と、買う方の多大な期待、間に立つメディアの消化不良の情報、お互い虚勢をはってしんどさだけが残る関係です。せいぜいが30年の歴史しかない新しい商品ですし新しい業界ですが、もうちょっと何とかなりそうな感じはします。
     「これだけ払ったんだからこのくらいのサービスは当然でしょう」
     「この料金ならこの程度までしか手配できない」
     「本当の所この国ではこんなトラブルが多いのだよ」

     素直に皆が語ったとしたら、問題の50%は終わっています。残りの30%は経済力つまりお金です。ほとんどのガイドブック、雑誌などにはお金を掛けただけの旅行はむなしいもので、最高の旅行は安く合理的でしかも自由な貧乏旅行の一人旅だと言うことになっていますが、ここの辺りが一番旅行者と旅行会社とメディアの食い違いが大きくなる原因になっています。

     もともと海外旅行はお金が掛かるものなのです、通常はお金をかければかけるだけ旅行はスムーズに楽しくできます。もっと単純に経済力を信じてください。これでほとんどの解決可能な問題は終わりです。どうしても20%が残りますが、この部分は偶然性が強く前もって予測不可能な部分なので成り行きに任すしかありません。「しょうがないどうもできん」の部分です。

     海外旅行を一口で言うと「未知とのふれあい」でもなく「現地の異文化の体験」でもなく「国際交流」でもありません。トラベルはトラブルとお友達、コインの表と裏、トラブルのない旅行などスパイス抜きのインド料理です。

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