[vol.30]
8月25日(水)鹿児島〜那覇

前日夕方あわただしく鹿児島をフェリーで出発。フェリーをヒッチするわけにはいかないのでもうヒッチハイクは終わった。沖縄那覇行きの船はフェリー2本と旅客専用が1本あり、そのうちフェリー1本は沖縄北部の本部に寄る。本当はそれに乗り本部からアパートのある恩名までヒッチしたかったが便は二日に一本で今回はうまく合わなかった。

鹿児島から那覇まで600k以上ある。飛行機なら1時間くらいのものだがフェリーでは25時間弱くらい。途中、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島に寄るのでそのぶん時間がかかる。寄港時間を4時間あまりとすれば航海は約20時間で平均30kの速度ということになる。自動車にすればのろのろだが大きな船体でぐいぐい行くフェリーは力強く爽快だ。

奄美大島までは夜の航海なので島影などはみえないけれども灯台の明かりが遠くにみえる。沖縄までいくつもの島々が弓型に連なりその間を通るので絶海を行くという感じではない。なるほど灯台の明かりとはこのようにありがたいものか。

朝、奄美を出ると2〜3時間ごとに次ぎの港につく。いつでもどこかに島影があり、島のあたりには独特の雲ができている。海はネービーブルー。空の青と雲の白。島の緑が美しい。船旅ならではの開放感がなんともいえない。飛行機にはない贅沢だ。時間があり同じ料金ならだんぜん船のほうがいい。

沖縄本島は南北に100Kと長い。やはりこの航海では一番大きい島だ。与論島をでてから那覇まで4時間かかる。那覇は南部にあるので北端の辺戸岬から沖縄本島の様子が順によくわかる。西側の東シナ海を通るので自宅のある恩名村もみえた。残波岬をすぎると急に町並みがひろがり読谷から那覇、糸満まですきまなく家がつずく。ところどころに米軍基地が見える。

午後6時40分那覇港に到着。妻が迎えにきてくれていた。フェリーのまえで風太と最後の記念撮影。

Copyright(C)1999 小島春彦